研究課題/領域番号 |
03224104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 佳之 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10112327)
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研究分担者 |
三木 哲郎 大阪大学, 医学部, 講師 (00174003)
藤原 美定 神戸大学, 医学部, 教授 (70030848)
大木 操 埼玉県立がんセンター研究所, 部長 (00158792)
清水 信義 慶応大学, 医学部, 教授 (50162706)
宮武 正 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50048998)
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キーワード | 老年痴呆 / 神経 / 老化 / アミロイド / トランスジェニックマウス / 遺伝病 |
研究概要 |
本研究においてはアルツハイマ-病の発症のメカニズムについて分子遺伝学的手法により、特にβアミロイドの形成メカニズムと家族性アルツハイマ-病家系の分析を行った。以下に主要な成果を列記する。 1.βアミロイド前駆体(APP)からβアミロイドが形成される過程はアルツハイマ-病発症メカニズムのひとつであることが明らかとなった。即ち、APP遺伝子の717ValがIleに変更したためにアルツハイマ-病の発症する家系を発見した。717位はβアミロイド領域のすぐ近傍にあり、βアミロイド形成のプロセッシングの過程にこの変異が影響を与えていると考えられる。 2.APP遺伝子に変異のない家族性アルツハイマ-病家系では21番染色体上の別の遺伝子(未知)が関与していることが示唆されている。この遺伝子の同定を目指して21番染色体のこの領域の物理地図の作成、及びYACなどにクロ-ン化されたDNAの分離を行った。 3.βアミロイド沈着のモデル動物の作成を目指し、APP遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成した。C末端の100アミノ酸を持つトランス遺伝子を導入したケ-スが有効なことが示唆された。 4.3のケ-スと同様、βアミロイド沈着のモデル系として神経細胞へAPP遺伝子を導入し、その影響を調べた結果、神経細胞への分化に伴ってC末端100アミノ酸の断片は神経毒性を示すことが示唆された。 5.老化モデルマウスSAMにおいて老化に伴ってAPPに反応性の沈着物が見られた。これも老人班形成のモデル系になるかもしれない。
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