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1991 年度 実績報告書

画像・電気信号マルチ計測による膜融合の微視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03225210
研究機関名古屋大学

研究代表者

曽我部 正博  名古屋大学, 医学部, 助教授 (10093428)

キーワードシナプス / 膜融合 / 光学顕微鏡 / シナプトソ-ム / 脂質平面膜 / カリウムチャネル / アニオンチャネル
研究概要

脳のシナプス、特にシナプス前膜での伝達物質放出の機序を巡って二つの重要な問題がある。一つは前膜へのCa^<2+>流入後にどの様なメカニズムでシナプス小胞の融合が生じるのかということであり、もう一つは前膜上にどのようなイオンチャネルが分布し、それらがどの様に電位依存性Caチャネルの活性を調節しているのかということである。本研究計画の目的は、まず前者の問題にアプロ-チするために、一個の膜小胞の融合過程をin vitroでassayするシステムを完成させることであり、ついで後者の課題に関連して(2)分離したシナプス前膜小胞を脂質平面膜に組み込んで、そこに含まれるイオンチャネルの性質を単一チャネルのレベルで解析することである。1.前年度までにほぼ完成したマルチ計測顕微鏡を用いて、種々の膜小胞をパッチ電極内に添加して小胞1個とパッチ膜との融合過程を、画像、電流、膜容量、の同時測定を通して観測することができた。特に画像と容量測定から得られた膜小胞の単位面積当りの容量が0.7ー1.0μFとなり、本システムが確かに一個の小胞の融合過程を測定出来ることが確認された。 2.シナプス前膜に富むラット脳シナプトソ-ムを脂質平面膜に融合させることにより、Ca依存性Kチャネル、とアニオンチャネルの性質を解析した。(1)約250pSのmaxiCa依存性Kチャネルが再現性よく再構成された。そのCa依存性と電位依存性の解析から、このチャネルはCaチャネル開口時のCa流入量を増強すると共に、繰り返し刺激に対する順応過程に寄与することが示唆された。(2)70pSと120pSの2種類の新しいアニオンチャネルが同定された。その電位依存性の解析から、前者は順応、後者は静止電位の安定化に寄与することが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Sokabe,M.: "Quantitative videomicroscopy of patch clamped membranes:stress,strain,capacitance and stretch channel activation" Biophys.J.59. 722-728 (1991)

  • [文献書誌] Sokabe,M.: "Electrophysiological analysis of structural aspects of voltageーdependent SR K channel." Comp.Biochem.Physiol.98C. 23-30 (1991)

  • [文献書誌] Nomura,K.: "Anion channels from rat brain synaptosomal membranes incorporated into planar bilayers." J.Membr.Biol.124. 53-62 (1991)

  • [文献書誌] Hashino,E.: "Hair cell damage and recovery following chronic applcation of kanamycin in the chick cochlea." Hearing Res.52. 356-368 (1991)

  • [文献書誌] Bawman,C.L.: "Mechanotransducing ion channels in astrocytes." Brain Res.

  • [文献書誌] 曽我部 正博: "マルチ計測超高倍率顕微鏡の開発" 比較生理生化学. 8. 22-31 (1991)

  • [文献書誌] Sokabe,M.: "Towards molecular mechanism of the gating in stretch activated ion channel.In“Comparative Aspects of Mechanoreceptor Systems"(Ed.F.Ito)pp55ー77" Springer Verlag, 309 (1992)

  • [文献書誌] 曽我部 正博: "機械刺激受容チャネルのゲ-ティング機構.In「ブレインサイエンス IV」(佐藤昌康編)pp202ー223" 朝倉書店, 242 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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