研究概要 |
1 本研究の目的 本研究は、21世紀におけるマルチ・ポラリゼ-ション及び高度技術社会の時代を迎えて、我が国がどのような国際国家として生きて行くのが最適であるかという基本的課題を実証的に追究することを目的とする。 2 本研究から得られた主な知見 1)覇権国の変替は16世紀以降、イベリア勢力(ポルトガル又はパプスブルク・スペイン)、オランダ、イギリス〔1次〕,イギリス〔2次〕,アメリカと順次交替している。 2)このように覇権国の交替が起こる学問的裏づけとしては、E。R。サ-ヴィスの「退縮理論(involution theory)」,すなわち環境に適応しようとして特殊化を深めて行く、そのことが新たな文化を生み出す可能性を自ら奪ってしますという理論が最も妥当性があると考える。 3)コンドラチェフの長波との関連の下に、覇権システムのモデル化を試みた。その結果、覇権国の繁栄の中心的時期は、コンドラチェフの長波のあるピ-ク時から次のピ-ク時までのおよそ半世紀となっていることが分かった。一方、繁栄の中心的時期に至る前段階の覇権爭奪期も、およそ半世紀のサイクルを持っている。 4)へゲモニック・パワ-については、一般的なトレンドとしては、一次的パワ-(経済力とその原動力となる技術力)、二次的パワ-(政治力とそれを担保する軍事力)、三次的パワ-(基礎的科学力を含む文化力)の順にその興亡が訪れる。
|