研究課題/領域番号 |
03233202
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
右田 俊彦 群馬大学, 工学部, 教授 (40008412)
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研究分担者 |
佐野 寛 群馬大学, 工学部, 助手 (40162523)
小杉 正紀 群馬大学, 工学部, 助教授 (60008464)
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キーワード | 有機スズ化合物 / パラジウム触媒 / 四塩化チタン / トランスメタル化 |
研究概要 |
1)パラジウムとのトランスメタル化を含む三成分系プロセス パラジウム触媒を用いる有機スズ化合物と有機ハロゲン化合物とのクロスカップリング反応をオレフィンの存在下で行うとオレフィンの挿入を含むクロスカップリング反応が期待できる。今回、アセチレン類を用い三成分系プロセスを調べた。3ーヘキシン存在下で反応を行った結果、期待した生成物が生起するが、その収率は低く約20%であった。2ーヘキシン存在下の反応は収率がやや向上し、約30%の収率で目的生成物を与えが、目的生成物は位置異性体の混合物であった。1ーメトキシ-2ーブチン存在下の反応は約50%収率で目的生成物を与え、これまでで最も良い収率であった。このように期待した反応は生起することが明らかになったが、収率を向上させなければならないという課題が今後に残った。 ノルボルナジエンの一方のオレフィンだけを反応させ、次いでretro Diels‐Alder反応を行わせるとシス‐オレフィンが生成する。この反応の適用範囲と限界を明かにした。 2)四塩化チタンとのトランスメタル化を含むカルボニル基質への付加 β‐スタニルエステルは四塩化チタン存在下アルデヒドと反応し、γ‐ヒドロキシエステルを経て、相当するラクトンを与える。β‐スタニルエステル以外β‐スタニルアミド、オキサゾリン、ベンゾオキサゾ-ル、ベンゾチアゾ-ル等が同様の反応をすることが明らかになった。そこでこのようなスズ化合物に不斉点を導入すれば、光学活性ラクトンが生成すると考え、β‐スタニルエステル,β‐スタニルオキサゾリンに不斉点を導入した。L‐フェニルアラニンから誘導される後者はベンズアルデヒドとの反応において鏡像体過剰率38%とまだわずかではあるが光学活性なラクトンが得られた。
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