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1991 年度 実績報告書

イオウを架橋原子とする遷移金属多核錯体の合成と反応

研究課題

研究課題/領域番号 03233206
研究機関東京大学

研究代表者

干鯛 眞信  東京大学, 工学部, 教授 (60011011)

研究分担者 松坂 裕之  東京大学, 工学部, 助手 (50221586)
溝部 裕司  東京大学, 工学部, 講師 (40175609)
キーワードルテニウム二核錯体 / 架橋チオラ-ト錯体 / 混合金属イオウ錯体 / アルキン低重合 / アルキニル錯体
研究概要

1.[Cp*RuC1]_4(Cp*=η^5ーC_5Me_5)とNaSR、または[Cp*Ru(OMe)]_2とMe_3SiSRとの反応によりRu(II)の二核錯体[Cp*Ru(μーSR)]_2(1)が得られることを先に見いだしていたが、今回R=2,6ーMe_2C_5H_4の錯体につきX線解析に成功し、本錯体が2つのチオラ-ト配位子が架橋した二核構造をもつことが確認できた。
2.1(R=^iPr)は当量のアルキルハライドと容易に反応し、Ru二核上への酸化的付加による生成物[Cp*RuR(μーS^iPr)_2RuCp*X](R=Me,Et:X=I;R=PhCH_2CH_2,PhCH_2:X=Br)を与えた。一方、1(R=^iPr)と各種末端アセチレンR'CΞCHとの反応においては、Ruの二核サイト上でこれらアセチレンの特異な二量化または三量化が進行することも明らかとなった。反応はR'の種類に大きく依存し、例えばMe_3SiCΞCHとの反応ではアセチレン三量体が配位して二核πーアルキン錯体が、またR'=pーMeC_6H_4,CH=CH(CH_2)_3CH_2ではルテナシクロペンテン骨格を含む二核錯体が得られている。
3.[Cp*RuC1_2]_2(2)とNaS^iPrとの反応で合成できる[Cp*Ru(μーS^iPr)_3RuCp*]は、アリ-ルアセチレンR'CΞCH(R'=Rh,pーMeC_6H_4)とさらに反応して二核ジアルキニル錯体[Cp*Ru(CΞCR')(μーS^iPr)]_2を与えた。R'=pーMec_6H_4の錯体についてHBF_4との反応を試みたところ、2つのアルキニル基のカップリングが進行し新規なジルテナシクロペンタジエノインダン錯体が生成することが判明した。本錯体の脱プロトン化を行うとジルテナシクロペンテノインデン錯体がさらに誘導できた。
4.2と過剰の[NH_4]_2[MS_4](M=W,Mo)との反応からは三核のスルフィドクラスタ-[(μ_2ーS_2)(Cp*Ru)_2(μ_2ーS)_2(μ_3ーS)MS]が生成することを見いだし、それらの興味深い構造をX線解析により明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hiroyuki Matsuzaka: "Novel Reactions of Alkynes on Dinuclear Ruthenium Centers Bridged by Thiolate Ligands" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1011-1012 (1991)

  • [文献書誌] Yasushi Mizobe: "Novel Reactivity of Thiometallates:Syntheses and Structures of New Transition Metal Sulphide Clusters Containing WRu_2S_6 and Ru_2S_2(SR)_2 Cores" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1226-1227 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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