研究概要 |
今年度得られた主な研究成果を以下に列挙する。 1.安定性・操作性のよい二段式軽ガス銃の開発 従来の火薬駆動の方式に対して,再使用可能なピストンの利用と高圧気体駆動の精密制御方式の二段式ガス銃の開発を行い,数値シュミレ-ション法を用いて,火薬駆動二段式軽ガス銃の特性を実験的に解明した.また,一定圧力駆動型圧縮管を二段式として,第一段で軽量ピストンによる前方駆動気体の衝撃波加熱を行い圧縮比,最高到達温度を向上させることができることを,実験的・数値解析的に見いだした。 2.衝撃波の圧力測定法の開発 ピエゾ・フィルムを用いた圧力計の開発を行い,その応用と精度の向上を行った.特に,興味ある応用として,雲仙普賢岳の噴火に現れた水蒸気爆発で生じた爆風の圧力を測るために,テレメトリ-による圧力遠隔測定に,本圧力計を設置することも計画している. 3.衝撃波光学可視化法の開発 比較的単純形状における衝撃波の挙動をホログラフィ-干渉計法により可視化し密度分布の計測法を確立した。さらに,複雑三次元形状,超高速現象の光学計測手法の確立を目的として,散乱レ-ザ-光を用いたホログラフィ-干渉法により三次元的な密度分布計測に成功した。 総括すると,研究計画全体の70%が完了したと自己評価するが,衝撃波現象に関連する温度場の計測,多相媒質中を伝播する衝撃波の可視化計測,二段式軽ガス銃の飛翔体速度の向上等が主な解決課題として残されている。
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