研究課題/領域番号 |
03240103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 良一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10107550)
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研究分担者 |
中山 則昭 京都大学, 理学部, 助教授 (00164369)
山口 貞衛 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005892)
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
藤井 保彦 筑波大学, 物質工学系, 教授 (00013524)
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キーワード | 金属人工格子 / 表面弾性波 / ブリルアン散乱 / ヤング率 / 垂直磁気異方性 / 磁気吸収 / 熱膨張率 |
研究概要 |
金属人工格子構造の解析と評価に関する本年度の研究成果を以下に述べる。山本は、昨年度導入した複合表面分析用チェンバ-に人工格子表面電子構造解析装置を組み込み、金属人工格子の電子構造解析の準備を完了した。金属人工格子の異常力学物性に注目しAg/Cr、Au/Cr、Au/Coの表面弾性波速度をブリルアン散乱により測定し、その積層周期依存性の原因について考察した。またAg/Pdのヤング率を内部摩擦法により測定した。Ag/Co、Pd/Co、AgPd/Co、Au/Coなどの人工格子の示す垂直磁気異方性の起源に関して、実験、理論の両面から検討を加えた。さらにCu/Hfの非晶質化を摂動角相関により研究した。石田は、超高圧電顕によりPd/Coなどの垂直磁化膜の格子像を観測し、垂直磁化と界面の原子構造との関係を考察した。伊藤は、Fe/Gd人工格子の磁気構造を磁気吸収法(Magnetic Xーray Absorption Near Edge Structure:MXANES)により測定し、層厚や温度によりGdのモ-メントの大きさが変化していることが、示された。遠藤は偏極中性子反射法により人工格子の磁気構造の解析を行った。中山と山口は反応スパッタ法で作製したCrN/C人工格子の構造評価をX線回折法およびRBS法により行った。金属層の窒化により界面構造や熱的安定性がどのように変化するか検討している。藤井と中山は、Au/Niの低温X線回折実験を行い、格子定数の温度変化から、積層方向、膜面内の熱膨張率を測定した。人工格子の積層周期が短いAu/Niでは、熱膨張率、体積膨張率ともにバルクとは異なる値を示している。
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