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1991 年度 実績報告書

機能の創生を目指すヌクレオシドの化学合成

研究課題

研究課題/領域番号 03242102
研究機関北海道大学

研究代表者

松田 彰  北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)

研究分担者 綿矢 有佑  岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
宮坂 貞  昭和大学, 薬学部, 教授 (70053808)
牧 敬文  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082959)
キーワードヌクレオシド / ヌクレオチド / DNA鎖切断 / シアノ基 / AIDS / HIV / DNAポリメラ-ゼ / 寄生原虫
研究概要

本研究班では、従来の医薬品開発を目標に直結したランダムスクリ-ニング的発想に基づく研究ではなく、核酸の構造や代謝の分子論的な解析を基に新しい機能性ヌクレオシドの創出を図ることを目的にしている。松田は、ヌクレオシドレベルでは化学的に安定であるがDNAに組み込まれると鎖切断などの反応性を示すヌクレオシドの設計を行っており、今年度は、2'ーdeoxycytidineの2'ーβ位にシアノ基、イリシアノ基、エチニル基を含む誘導体の合成を行った。この中で、シアノ基を含むCNDACは強い細胞毒性を示し、その5'ートリリン酸体は牛由来のDNAポリメラ-ゼαの強力な阻害剤となった。この時の阻害様式は、chainーterminator型であったが鎖切断の結果そうなったのかどうかについて更に検討を行っている。牧は、アデノシン誘導体が電子移動により酸化される新しい反応を見い出し、その反応を利用し、DNAやRNAの鎖切断へ応用しようと試みている。宮坂は、AIDSの原因ウイルスであるHIVーIを新しい様式で阻害するアシクロウリジン誘導体を合成した。その中でこれらの化合物は、従来のAZTやddIが感染細胞中の酵素によりトリリン酸体に変換されて、逆転写酵素を阻害するのとは異なり、リン酸化を受けずに阻害すること、また天然の基質であるTTPと非競合型の阻害を示すことから、逆転写酵素のTTP結合部位でアロステリックな阻害を示すことを明らかにした。綿矢は、ヌクレオシドやヌクレオチドの生物種間での差異を明らかにするために、寄生原虫をヒト由来細胞を用いて、糖部や塩基部が天然型とは異なる誘導体を用いて代謝系を調べた。リュ-シュマニアが特にプリン生合成がヒトとは異なることを利用して強い抗原虫作用を示すヌクレオシドを数種見い出した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Matsuda: "Synthesis of a new broad spectrum of antineoplastic nucleoside,2'-deoxy-2'-methylidenecytidine(DMDC)and its derivatives." J.Med.Chem.,. 34. 812-819 (1991)

  • [文献書誌] A.Matsuda: "2'ーCーCyanoー2'ーdeoxyー1ーβーDーanabinofuranosylcytosine(CNDAC):Design of a potential mechanismーbased DNAーstrand breaking antineoplastic nucleoside." J.Med.Chem.,. 34. 2917-2919 (1991)

  • [文献書誌] Y.Yoshimura: "Stereoselective radical deoxygenation of tertーpropargyl alcohols in sugar moiety of pyrimidine nucleosides:Synthesis of 2'ーCーalkynylー2'ーdeoxyー1ーβーDーarabinofuranosyl pyrimidives." Tetrahedron Lett.,. 32. 6003-6006 (1991)

  • [文献書誌] A.Matsuda: "Mutagenicity of (p-nitrophenyl)adenines in Salmonella typhimurium." Mutation Res.,. 263. 93-100 (1991)

  • [文献書誌] T.abiru: "The antihyper tensive effect of 2-alkyryladenosines and their selective affinity for adenosine A_2 receptor." Eun.J.Pharmacol.,. 196. 69-76 (1991)

  • [文献書誌] E.De Clercq: "Antiviral activity of 5ーethyrylー1ーβーDーribofurano sylimidazoleー4ーcarboxamide and related compounds." Antimicrob.Agents Chemothes.,. 35. 679-684 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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