研究概要 |
N^4ーアミノシトシンが塩基対を形成するメカニズムの解明のため、シトシンをただ一つ含むselfーcomplementaryな10ーmer,5'ーAATTGCAATTー3'を亜硫酸ーヒドラジン混液で処理し、シトシンが特異的に反応してアミノシトシン(C^<am>)に変化したオリゴヌクレオチド5'ーAATTGC^<am>AATTー3'を調製した。5'ーAATTGCAATTー3'を4MNH_2NH_2ー0.1MNaHSO_3ー0.1MNaH_2PO_4(pH7)で60℃4時間処理し、HPLCで精製した。これをさらにN^4ーアミノシトシンに特異的な誘導体化後、酵素消化して調べたところ、A:T:G:アミノシトシンが4:4:1:1と予想どうりの結果となった。従って、この条件で5'ーAATTGC^<am>AATTー3'が合成できることがわかった。この10ーmer同士2分子が対合して形成する2本鎖オリゴヌクレオチドには、GーC^<am>塩基対が含まれている。現在その性質を検討中である。同様の方法で5'ーAATTAC^<am>AATTー3'を合成し、AーC^<am>塩基対の解析を進めている。 また、酵母を用いたヌクレオシドアナログの変異原性検索を進めており、αーアミノアジピン酸に対する耐性を指標として変異原性試験を行なった。その結果、N^6ーヒドロキシアデノシンとN^4ーアミノシチジンが変異原性を示した。ただし、その活性はN^6ーヒドロキシアデノシンの方が1オ-ダ-高かった。さらに、N^4ーアミノシトシンなどの異常塩基を含むオリゴヌクレオチドを直接、酵母に作用してクロモリ-ムDNA中に異常塩基を導入することを試みている。
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