研究概要 |
(1)パタ-ン基板上のファセット構造の形成と拡散定数の評価:GaAs(100)面上に太さ0.3〜6μm程の逆メサ構造を形成し、その上にGaAsおよびAlAsをMBE法で成長させることにより、(111)B面と(100)面からなるファセット構造を形成した。多くの条件下で、堆積したGaの(111)B面から(100)面への拡散が見られた。形状の解析により、(100)面上におけるGaおよびAl原子の拡散距離が求められ、典型的な条件(基板温度580゚C)下では各々1μmおよび0.02μm程であることが判明した。また面間の拡散の解析モデルを構築し、(111)B面上のGaの拡散距離を推定したところ、As圧の減少に伴い.1μmから10μm程まで増大することを見出した。この他、2つの面の接する境界線における物質流の透過率やファセット構造の形状制御法などについても知見を得た。 (2)MBE成長時および成長中断後の表面モホロジ-と原子の拡散および取込過程の評価:エピタキシャル成長時および中断後の表面凹凸の形状、特に横方向寸法L_Rは、表面に堆積した原子の拡散・結合と核形成・解離などのプロセスを反映する。変調ド-プしたGaAs/AlAs量子井戸でFETを作り、その電子移動度の電子密度依存性を測定解析すると、散乱ポテンシャルの相関長lcが定まり、L_Rが決定できる。本年は、この研究を更に発展させた。特に、量子井戸の中央にAlAsを1/4,1/2,3/4原子層だけ挿入した特殊量子井戸について調べ、AlAs核の横方向寸法とその異方性の評価を行った。
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