研究課題/領域番号 |
03249213
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松原 英雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (30219464)
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研究分担者 |
野田 学 日本学術振興会, 特別研究員 (50222203)
佐藤 紳司 名古屋大学, 理学部, 助手 (60192598)
野口 邦男 名古屋大学, 理学部, 助手 (10111824)
松本 敏雄 名古屋大学 理学部, 教授 (60022696)
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キーワード | 星間物質 / 遠赤外分光 / ロケット観測 |
研究概要 |
遠赤外波長域の[CII]線(^2P_<3/2>→^2P_<1/2>、λ=157.7μm)の観測は、星間物質研究において極めて重要である。本研究では、高銀緯星間雲からの微弱な[DII]線を精度良く観測できる、スペ-スからの[CII]線観測装置の開発を行なった。研究実績は以下の通りである: 1.分光素子の開発: シリコン基盤両面に金属メッシュパタ-ンを蒸着したファブリ・ペロ-型干渉分光素子、及び次数選択用の金属メッシュによる干渉フィルタ-などを製作・評価した。 2.観測システムの組立・評価: 開発した分光素子とGe:Ga光伝導型検出器を用いて5チャンネルの狭帯域測光器を製作した。また検出器信号の読みだしには新たに開発した積分型アンプシステムを用いた(奨励研究(A)による)。完成した測光器をロケット塔載用液体リリウムクライオスタットに組み込み、性能評価を行なった。その結果、宇宙科学研究所で行なった振動・衝撃試験にも十分耐える、安定した観測装置を開発することができた。なお本補助金にて購入したMacintoshコンピュ-タは、種々の性能評価試験の結果の解析・表示出力に威力を発揮した。 3.観測: 観測装置は1992年2月1日、宇宙科学研究所の観測ロケットSー520ー15号機で打ち上げられた。飛行中観測システムはすべて順調に動作し、世界で初めて積分型検出システムによる遠赤外線スペ-ス観測に成功した。実際高銀緯星間雲からの極めて微弱(10^<-14>〜10^<-13>[W/cm^2sr])な[CII]線を検出することができ、今後論文として公表する予定である。本補助金で購入したコンピュ-タは、今後も観測デ-タの解析・論文製作にと十分活用される。
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