研究概要 |
本研究は競合学習の能力を拡張することと,超並列分散処理による計算方式を主テ-マとしている.本年度は,それらのうち競合学習の一般化を対象にしており,次のような項目を取り扱った. (i)多重降下競合学習と強制情報との結合 (ii)競合学習におけるコストの一般化とそのパラメ-タの動的制御 項目(i)においては,多重降下競合学習において生成される二種類の特徴マップを利用している.これらの二種類のうち,トレ-ニングベクトルを最適にグル-プ化する特徴マップは,原デ-タの情報をよく抽出する.そして,この特徴マップの各部分領域は,ニュ-ロンの重みベクトルと対応している.従って,最適化特徴マップと重みベクトルの対は元のデ-タを良い精度で復元できることになり,情報圧縮を行ったことになる.さらに外部からの情報(強制情報)により,最適化特徴マップを変形させると,これは原デ-タのもつ意味情報を変形したことになる.これを実例として人物画像の表情変形に用いて良好な結果を得た. 項目(ii)においては,加法的なハンディキャップと乗法的なハンディキャップの両者を含む競合学習を提案した.このとき,デ-タの近似項とハンディキャップ項との結合パラメ-タをどのような値にするかが問題となる.本研究においては,これをニュ-ラルネットワ-クの学習の進展度に応じて自動的に調節する方法を与え,良好な結果を得た.
|