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1991 年度 実績報告書

チンパンジ-の動作模倣の分析的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03251218
研究機関京都大学

研究代表者

小嶋 祥三  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)

キーワードチンパンジ- / 動作模倣 / 身体像
研究概要

レ-ザ-ディスクとタッチパネルのシステムを用いて、チンパンジ-の身体像(顔面ー頭部)の分析を行なった。身体像を検討する課題は一種の遅延反応で、試行は手がかり刺激提示(C)、遅延(D)、反応(R)期よりなる。段階的に複雑になる4つの課題を課した。これらの課題でCおよびD期はすべで同じで、R期のみが異なる。C期には実験者が顔面ー頭部の一部(頭、額、眼、耳、頬、鼻、口、顎の1ヶ所)を指さしている映像がモニタ-に提示される。指さされた位置が正反応位置で、チンパンジ-がそこに反応(タッチパネルで検出)するとD期に移行する。D期は通常2秒で、モニタ-はブランクである。R期は課題1では指さされた位置とそれ以外の7ヶ所の1つに小円を提示した。課題2では小円の無い実験者の顔面頭部を提示した。課題1、2ではC期とR期で同じ位置(管面中央)に顔刺激が提示されたが、課題3のR期には小円の無い顔刺激を左右4ヶ所に提示した。課題4ではR期に提示する顔を実験者以外のヒト、チンパンジ-に変え、左右に提示した。正反応はすべての課題において、C期に指さされた位置に反応することで、報酬が与えられた。
2頭のチンパンジ-のうち1頭が課題4までテストされたので、その結果を報告する。達成基準を連続2セッション85%以上の正反応率とすると、課題1、2、3でそれぞれ30、18、30セッションを要した。すなわち課題が変わる毎に成績は20、30%の正反応率に低下し、課題間の転移は少なかった。これらの結果はチンパンジ-が顔刺激をヒトとは異なって見ていること、身体像がヒトほど明確でないことを示唆し、模倣実験の結論を支持した。なお、課題4の正反応率はヒトで65ー80%、チンパンジ-で約40%であった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kojima,S.: "Imitation in chimpanzees." Neurosci.Res.Suppl.14. 17 (1991)

  • [文献書誌] Kojima,S.: "Body image in chimpanzees" Neurosci.Res.Suppl.16. 173 (1991)

  • [文献書誌] Kojima,S.: "Imitation in the chimpanzee." J.Human Evol.

  • [文献書誌] 小嶋 祥三: "サルとヒトの発達:音声発達を中心に" 早稲田心理学年報. 23. 21-31 (1991)

  • [文献書誌] 久保田 競: "左右差の起源と脳" 朝倉書店, 198 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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