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1991 年度 実績報告書

随意眼運動と随意腕運動に伴う小脳半球部のニュ-ロン活動の比較。

研究課題

研究課題/領域番号 03251236
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

真野 範一  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 参事研究員 (40073077)

研究分担者 渋谷 英敏  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主任研究員 (80142157)
伊東 由美  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主事研究員
キーワード小脳皮質 / 小脳後葉 / プルキンエ細胞 / 眼球運動 / 先行時間 / 腕運動 / 随意運動 / 運動の始動
研究概要

小脳半球部が随意眼運動の制御にいかなる役割を果しているかを解明し、既に発表してある上肢運動での結果との異同を明らかにしようとして、本研究をおこなった。具体的には、無麻酔のサルに視標追跡眼運動を訓練し、サルが訓練された眼運動をおこなっている時に、小脳半球後方部を中心にプルキンエ細胞の単一ニュ-ロン発射と眼球運動を同時に記録した。この実験で得られた結論の一部を原著論文としてExp.Brain Res.誌(84:465ー470,1992)に発表した。得られたいくつかの新知見の中で最も重要なものは、急速眼球運動をおこなう時に著明に単純スパイクの発射頻度を変化するプルキンエ細胞の約2/3の細胞は急速眼球運動の開始に20ー100ミリ秒先行して発射頻度を変化し、他の約1/3の細胞は眼球運動とほとんど同時に頻度変化する事であろう。
即ち、今まで、四肢の運動では多くの実験事実から随意運動の始動に小脳が関与している事が知られているにもかかわらず、眼球運動では小脳は運動開始後の運動調節に関与していて、随意眼運動の始動にはほとんど関与していないと考えられてきた。このような考え方は、今までの小脳と眼球運動との研究がもっぱら系統発生学的に古い部分(片葉小節葉、虫部)に限られていて系統発生学的に新しい半球部が全く研究されてこなかったことによると思われる。これらの古い小脳ではニュ-ロン活動が随意眼運動開始よりも遅れて、あるいは、せいぜい同時に変化するために眼球運動の始動には関与していないと結論されたのである。
上記の新知見から、従来知られている四肢の運動と同様に、眼球運動の場合にも、小脳半球部は随意運動の始動に重要な役割を果たしていることを結論できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mano,N.,Ito,Y.and Shibutani,H.: "Saccadeーrelated Purkinje cells in cerebellar hemispheres of the monkey." Experimental Brain Research. 84. 465-470 (1991)

  • [文献書誌] Mano,N.,Ito,Y.and Shibutani,H.: "Discharge of saccadeーrelated Purkinje cells in the crus I,IIa of the monkey." Abstr.of IIIrd IBRO Congr.Neurosci.,. 405 (1991)

  • [文献書誌] 真野 範一: "小脳の研究ー短期干渉説についてー." 神経精神薬理. 13. 907-914 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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