研究課題/領域番号 |
03253209
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
笠貫 宏 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40096574)
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研究分担者 |
庄田 守男 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60206266)
柴田 仁太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70162633)
大西 哲 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50119913)
細田 瑳一 東京女子医科大学, 医学芳, 主任教授 (50048956)
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キーワード | 頻脈性不整脈 / 除細動閾値 |
研究概要 |
I.植込み型除細動器に関する基礎研究および臨床研究 本年度は電気的通電の工夫による除細動閾値の低下、および電気回路の工夫による装置の小型化を目的として検討を行った。(1)2相性波形の1軸および2軸波形の除細動閾値を比較検討した。2軸2相性波形の除細動閾値は、1軸2相性波形の閾値に比して有意に低値を示した(0.18±0.07J/kg:0.33±0.16J/kg)。(2)2相性波形でcapacitorを変化させた際の除細動効果を検討した。Capacitor tiltが60%以上における除細動閾値は、40%以下での閾値に比して有意に低値を示した(160mJ/kg:210mJ/kg)。当施設において8例に植込み型除細動器植込み術を施行した。4例では第2世代のVentack P、2例には第3世代のPCDが植込まれた。前者では、心外膜パッチ電極、後者では心内膜電極ー皮下電極が用いられた。1例は6ヶ月で心不全死したが、5例では経過良好であった。 II.カテ-テルアブレ-ションに関する基礎研究および臨床研究 本年度は電気的カテ-テルアブレ-ション(EA)の安全性を明らかにするため、EAの最も重篤な合併症の1つである、急性循環不全の発生機序を検討した。(1)密閉した水槽内で直流通電を行い、内圧の変化と衝撃波の加速度を測定し、EA時のbarotraumaの強さを評価したが、その強さは通電エネルギ-に比例した。(2)雑種成犬を用い、局所心筋の張力が測定可能なセンサ-を左室自由壁心外膜側に縫着した。左室中隔側高エネルギ-通電で左室自由壁病所心筋収縮力の低下を伴う低血圧を認めた。EA直後の急性循環不全はbarotraumaを介した非EA部を含む左室全体の収縮力低下に起因すると考えられた。当施設において、難治性心室頻拍33症例に対してEAを施行した。急性効果では23例(70%)で成功し、慢性効果では6例で再発が認められ、17例(52%)が成功であった。
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