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1991 年度 実績報告書

ガングリオシドGQlbによる表皮細胞の分化誘導機構

研究課題

研究課題/領域番号 03255206
研究機関岐阜大学

研究代表者

野沢 義則  岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)

研究分担者 坂野 喜子  岐阜大学, 医学部, 助手 (50116852)
岡野 幸雄  岐阜大学, 医学部, 助教授 (10177066)
キーワードガングリオシド / GQlb / 表皮細胞 / 分化誘導
研究概要

新生マウス表皮細胞およびヒト成人表皮細胞にGQlb,GTlb,GMlの3種類のガングリオシドを添加すると、GQlb(25ng/ml)によって一過性のイノシト-ル(1,4,5)トリスリン酸(IP_3)の増加とそれに伴って細胞内カルシウム濃度[Ca^<2+>]iが増大する。この応答はマウス細胞に特に顕著であり、GTlbやGMlでは見られなかったが、ヒト細胞では三種類のガングリオシドにほぼ同程度の初期反応が観察された。
一方、分化誘導の指標であるcornified envelopeの形成およびトランスグルタミナ-ゼ(TGase)の活性上昇は、ヒト表皮細胞でGQlbに特異性が高いことから、IP_3・[Ca^<2+>]i増加の初発応答は必要であるが、その後の分化誘導プロセスの進行にとって十分でないことが示された。このことは、ビタミンD誘導体を用いた別実験でも確かめられた。つまり、活性型D_3を除いた分化誘導能のない誘導体においても初期反応は同程度に起こった。
さらに、IP_3ピ-クに後続してジアシルグリセロ-ル(DG)産生が起こることを見出したが、これは主としてホスファチジルコリン(PC)のホスホリパ-ゼ(PLC)による分解に由来し、一部はホスホリパ-ゼD(PLD)系によることが示された。この持続的DG産生は、プロテインキナ-ゼC(PK)の持続的活性化をもたらし、このことは分化誘導に必須である。事実、ホルボルエステル(PMA)の長時間インキュベ-ションでPKCをダウンレギュレ-ションさせたり、PKC阻害剤のHー7処理を施すとGQlbによるTGase活性増大やcornified envelope形成が抑えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yukio Yada: "Ganglioside GQlbーinduced terminal differentiation in cultured mouse keratinocytes:Phosphoinositide turnover forms the onset signal" Biochemical Journal. 279. 665-670 (1991)

  • [文献書誌] 中島 茂: "ジアシルグリセロ-ル産生の二相性とその生理的意義" 蛋白質核酸酵素. 36. 650-656 (1991)

  • [文献書誌] 野沢 義則: "ジアシルグリセロ-ル産生の二相性とホスホリパ-ゼD" 実験医学. 9. 89-95 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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