研究概要 |
糖脂質の代謝にかかわる種々の水解酵素の活性制御には活性化蛋白質が関与している。この活性化蛋白質の一種であるグルコセレブロシダ-ゼ活性化蛋白質(SaposinC)は本研究分担者の佐野らが世界に先駆けてモルモット肝臓から単離しそのアミノ酸配列を決定した蛋白質である。今回我々は、このSaposinCをウシ脾臓から精製しアミノ酸配列を決定し、その分子内で35番残基周辺が酵素との相互作用に重要な都位であることを証明した(Biochim.Biophys.Acta in press)。また、SaposinCの前駆体であるProsaposinがヒト各種分泌液、特に脳脊髄液に豊富に含有されていることを見つけ、血小板がトロンビン等の刺激に応じてProsaposinを細胞外に分泌することを実証した(Biochem.Biophys.Res.Comm.176,668ー674)。さらにヒト乳汁を出発材料としてProsaposinを単一にまで精製し、その性質の検討としてトリプシン処理によってβーGlucosidase活性化能を生じることを明らかにした(Biochem.Biophys.Res.Comm.181,286ー292)。
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