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1991 年度 実績報告書

核骨格と核骨格付着領域DNAの相互作用から見た染色体構造

研究課題

研究課題/領域番号 03256206
研究機関岡山大学

研究代表者

筒井 研  岡山大学, 医学部, 助教授 (70108158)

キーワード核骨格 / 核マトリックス / 染色体 / DNA結合タンパク質 / DNAトポイソメラ-ゼII
研究概要

真核生物のDNAは核骨格付着領域(SAR、またMAR)と呼ばれる200ー300bpのDNA領域を介して核骨格に結合することにより、5ー100kbのトポロジカルに独立したル-プ状のドメインに分割されている。このような構成様式は細胞分裂中期染色体においても保在されており、SARを特異的に結合する核骨格タンパク質がこの構造の維持に関与しているものと推定される。
我々はサウスウェスタン法を用いてSARと選択的に結合する分子量120kDaのタンパク質を核骨格に見いだした。核骨格におけるDNAータンパク質相互作用をより詳細に解析するため、このタンパク質の一次構造を調ベた。精製した120Kタンパク質をCNBrで断片化し、いくつかの断片のN末端アミノ酸配列を決定した。次に、この部分配列情報に基づいて対応するcDNAをクロ-ン化した。塩基配列の解析により現在までに推定長の約60%のアミノ酸配列が明らかになっている。配列ダ-タベ-スを検索すると、2つの領域に弱い相同性を示す数種のタンパク質が存在し、このことから120Kタンパク質には少なくとも2つの構造/機能 ドメインのあることが推測された。このうちC末端に位置するドメインはグリシン(G)とアルギニン(R)に富み、XRGXを基本単位とした16回の繰り返しを含む特異な構造をもっている。この部分を大腸菌で発現して得たタンパク質は特定の条件下ではSARに対して特異的なDNA結合活性を示すことから、この領域がDNAとの結合に関与していると考えられる。これよりN末端側には、種々のATPaseやGタンパク質に認められるnucleoside triphosphate (NTP)の結合に必須な配列モチ-フ(GXXGXGKT)を含む領域が存在した。この部分が予測される活性をもつか否かについては現在不明である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shuji Seki: "A mouse DNA repair enzyme(APEX nuclease)having exonuclease and apurinic/apyrimidinic endonuclease activities:purification and characterization" Biochim.Biophys.Acta. 1079. 57-64 (1991)

  • [文献書誌] Shuji Seki: "cDNA and deduced amino acid sequence of a mouse DNA repair enzyme(APEX nuclease)with significant homology to Escherichia coli exonuclesse III" J.Biol.Chem.266. 20797-20802 (1991)

  • [文献書誌] Kimika Tsutsui: "Differential exression of DNA topoisomerase II isozymes in developing rat brain" Proc.of ISTOP 1991.

  • [文献書誌] 関 周司: "哺乳類細胞のDNA修復酵素及び核マトリックスDNA結合タンパク質の研究" 岡山医学会雑誌. 103. 349-359 (1991)

  • [文献書誌] 筒井 公子: "脳におけるDNAトポイソメラ-ゼIIアイソザイム" 神経化学. 30. 216-217 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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