• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

グリア産生因子からみた神経難病病因論の一測面

研究課題

研究課題/領域番号 03263218
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

加藤 泰治  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)

研究分担者 浅井 清文  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70212462)
キーワード神経発育因子 / 神経栄養因子 / アストロサイト / グリア / グリオスタチン / 神経線維腫 / シュワン細胞
研究概要

神経難病や神経変性疾患の神経細胞死は、何らかの神経発育因子(NTF)の低下あるいは過剰産生によるものかもしれない。とくにニュ-ロンを保護するアストロサイトや軸索を取り巻くシュワン細胞からニュ-ロンに作用する多くのNTFが産生されていることが分かってきた。研究者は、シュワン細胞起源のヒト神経線維種がニュ-ロン性細胞(ヒト神経芽腫細胞、ラット皮質ニュ-ロン)の増殖あるいは、分化を促進する2種類の新しいNTFを産生していることを見いだした。その一つは神経芽腫細胞の増殖促進活性をもつNBGFで、化学的にはウリジンあるいはアデノシン誘導体であった(論文投稿中)。他の一つはグリアの増殖抑制作用とNTF活性を併せ持つグリア細胞増殖抑制因子(GGIF:グリオスタチン)であることを証明した。とりわけ本年度は、グリオスタチンを中心に研究を進め、以下の結果を得た。神経線維腫から5種類のカラム(ブル-トヨパ-ル、DEAEセファセル、ブチルト-ヨ-パ-ル、ハイドロキシルアパタイト、MonoQカラム)を用いて精製したグリオスタチンは、SDSーPAGE上では、分子量の50kの単一バンドとして泳動された。グリオスタチンはグリアによって産生され、グリア自身に作用するいわゆるオ-トクリン形成で作用するユニ-クな因子である。さらに、大脳皮質ニュ-ロンの生存維持や神経突起伸展作用を併せもつことは、脳神経の発育過程や神経機能修復過程で重要な機能を果たしていることを予想させるだけでなく、グリオスタチンの将来的な臨床応用(脳腫瘍、神経疾患の治療)を考える上で、重要な知見である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ito,Jinichi: "A cellular uptake of cisplatiumーencapsulating liposome through endocytosis by human neuroblastoma cells." Neurochem.Int.18. 257-264 (1991)

  • [文献書誌] Sugimoto,Toru: "Alphaーsmoothーmuscle actin and desmin espression in human neuroblastoma cell lines." Int.J.Cancer. 48. 277-283 (1991)

  • [文献書誌] Asai,Kiyofumi: "von Recklinghausen neurofibroma produes neuronal and glial growthmodulating factors" Brain Res.556. 344-348 (1991)

  • [文献書誌] Uemura Kenji: "Identification of immunoーreactive lipocortin 1ーlike molecules in serum and plasma by an enzyme immunoassay for lipocortin 1." Biochim.Biophys.Acta.

  • [文献書誌] Ito,Jinishi: "Interaction of sialosyl cholesterol with the cell surface of rat astrocytes and its biological activities" Neurochem.Int.

  • [文献書誌] Asai,Kiyofumi: "A novel glial growth inhibitory factor,gliostain,derived from neruofibroma" J.Neurochem.

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi