研究課題/領域番号 |
03264218
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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研究分担者 |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 助手 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
瀬川 彰久 北里大学, 医学部, 講師 (50154638)
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キーワード | ゴルジ装置 / 分泌 / 唾液腺 / 選別輸送 / ブレフェルジンA / 免疫組識化学 / 輸送小胞 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
1.分泌機能とゴルジ装置の動態:ゴルジのtrans側の層板に局在する105KDの糖蛋白を認識する抗ゴルジモノクロ-ナル抗体を作製して、免疫電顕法によりブレフェルヂン(BFA)およびモネンシン(MN)処理下の耳下腺腺房細胞におけるゴルジ装置の動態を追跡した。BFAの作用によりRERにも同抗体が分布するようになった。これはERからGolgiへの輸送の停止に伴いGolgi成分がERへ逆流することを反映しているらしい。MN処理によりtrans Golgi networkから膨化が始まり、その領域にもこの抗体が局在することが判明した。 2.再形成ゴルジ装置の電顕組識化学的解析:BFAを培養液から除去すると直ちにRERから輸送小胞ができ、これがrudimentary Golgiに融合して急速にゴルジ装置が回復する。回復期でGolgiの再形成過程をオスミウム浸漬法、TPPase組識化学法、モノクロ-ナル抗体による免疫染色で標識して追跡中である。 3.輸送小胞のゴルジへの融合能電顕的検定:BFAからの回復期に液温を20℃にすると、輸送小胞の形成はおきても膜融合は停止してGolgi領域に輸送小胞の大集団が形成される。30℃では37℃に比して幾分遅滞するものの層板形成が進行する。この時抗微小管剤であるnocodazolを加えても層板形成が進行したため、微小管がゴルジの層板形成ではなく形態安定機構に作用しているものと推定した。その他の薬剤の効果も追跡中である。 4.ゴルジtrans領域における選別輸送路の決定:器官培養下の顎下腺で、管腔側に分泌されるアミラ-ゼと基底側に分泌されて基底膜に組み込まれるインテグリンαー6の2重標識法を行いゴルジ装置における選別輸送路の解析が進行中である。これまでに光顕下の免疫組識化学には成功しているので、電顕レベルの解析が急がれている。
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