研究課題/領域番号 |
03265206
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
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研究分担者 |
広沢 信作 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50143574)
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キーワード | プロテインC / アルフア2プラスミンインヒビタ- / 細胞内輸送障害 / 変異遺伝子 / プロテインC欠損症 / アルフア2プラスミンインヒビタ-欠損症 |
研究概要 |
1.変異プロテインCの細胞内輸送障害によるプロテインC欠損症の発症:血中にプロテインC(PC)が検出されない先天性PC欠損者の遺伝子を解析した結果、2つの変異対立遺伝子が見出された。一つは母方由来でエキソンVIの末端部に5塩基の欠失があり、フレ-ムシフトを起こし、ほん訳の早期終了が予想された(変異I)。他は父方由来でエキソンIXにGからAへの点変異があり、アミノ酸置換が予想された(変異II)。変異Iは、重鎖を欠いた1/2縮小蛋白を産生し、変異IIは、蛋白の酵素活性ドメイン内のよく保存された基であるGly367のAspへの置換をもたらす。これらの結果より、本患者は2つの異った変異をそれぞれ別々に両親より遺伝された複合へテロ接合体であることが判明した。これらの変異が、如何にして欠損症の成因となるかを解明するため、それぞれの変異PCと正常PCの発現ベクタ-を構築して、COSー7細胞にトランスフエクトして発現実験を行った。変異PCでは、いずれも、細胞抽出液中には正常の1.5倍以上見出されたが、培養上清中には正常PCの僅か5%以下しか出現していなかった。ノ-ザン解析でも転写に差が無いことが認められ、いずれの変異PCも、その細胞内輸送・分泌過程の障害が欠損症発症の成因機序であると結論された。 2.変異アルフア2プラスミンインヒビタ-の細胞内輸送障害の構造的要因:アルアア2プラスミンインヒビ-(α_2PI)欠損症の変異α_2PIの細胞内輸送・分泌障害の構造的要因を明らかにする目的で、sitedirected mutagenesisによって各種変異α_2PI発現プラスミドを作成し、それらのトランスフェクションによる発現実験を行った。欠損症において欠失しているアミノ酸を他のアミノ酸へ置換した場合、50ー80%の分泌障害を来すことが明らかになったが、障害の程度と疎水性の変化、荷電の変化との関係は明らかではなかった。
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