コンピュ-タによる遺伝情報の解析において必要なタンパク質立体構造の記述法を論理型言語によって確立するための諸問題を明らかにし、その基礎をつくることを目的として研究を行なった。自体構造の記述言語の仕様を以下の様に決めた。 立体構造の記述言語の基本仕様の概略: 記述されるものは、デ-タ、要素、関係の3種類とする。デ-タはタンパク質構造についての情報であり、原子座標やアミノ酸配列等である。要素間の関係として構造を表現する。要素は、次の4種類とする。1)基本要素:原子、残基、ポリペプチド鎖、タンパク質、アミノ酸、アミノ酸の構成原子等。2)部分鎖:ポリペプチド鎖の一部。3)構造:要素とその間の関係で表されるもの。4)要素の集合。関係は次の3種類とする。1)要素とその属性との関係。2)構造を表わす関係。3)属性値間の関係や属性値とその関数値との関係。 デ-タ、要素、関係はそれぞれ次のように表わす。デ-タは基本要素とその属性との関係としてファクトで表わす。基本要素は(プロロ-グの)アトムで、部分鎖および構造は複合項で、要素の集合はリストで表わす。関係は述語で表わす。そして構造はル-ルで定義する。 上述した様にプロテインデ-タバンクの原子座標等のデ-タを、基本要素である原子、残基、ポリペプチド鎖、タンパク質のそれぞれとそれらの属性との関係であらわし、基本述語としてデ-タベ-スに登録した。 デ-タベ-スの中から基本述語で書かれた目的のファクトを検索するの時間がかかる。この問題をまず解決する必要があることが明らかになった。
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