研究課題/領域番号 |
03267208
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河野 憲二 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (50142005)
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研究分担者 |
金田 安史 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (10177537)
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キーワード | 遺伝子タ-ゲティング / ジフテリア毒素 / ペプチド鎖伸長因子2 / recA / HVJーリポソ-ム |
研究概要 |
動物細胞での相同組換え検出系として、毒素耐性・ネオマイシン耐性を指標とするタ-ゲティングベクタ-を作成し、最終的に10^6生細胞あたり約1個の割合で安定に検出できる系が確立しつつある。今まで実験によるデ-タの振れが大きかったのは、毒素耐性型EF2が安定に発現される前に、長期にわたる毒素処理をしたことに原因があることがわかってきた。そこでエレクトロポ-レ-ション後の毒素処理時間を短時間にするということで、安定な検出系を確立することができた。この系で得られたコロニ-の80ー90%が相同組換えを起こした細胞であるということが明らかになれば、相同組換え頻度を簡便な方法で検定できることになり、今後組換え頻度を上げる物質のスクリ-ニング系として有効であろう。また相同組換え頻度をあげる分子として、最も性質の明かとなっている大腸菌由来の相同組換え活性を有するrecAタンパク質に注目し、その効果を調べることとした。大腸菌由来のrecAタンパクを動物細胞内で発現させても核内に移行することはないので、recAタンパクのカルボキシル末端にSV40由来の核移行シグナルを遺伝子工学的に付加したTーRecA遺伝子を作成した。この融合タンパク質はrecA活性も保持し、かつ動物細胞内では核に移行する活性も有していることが明らかとなった。このTーRecAタンパクをいろいろな程度に発現している細胞株を得ることができたたのでその株での相同組換え頻度が上昇しているかどうかを現在検討中である。またrecAは単鎖DNAに特異的に作用することがわかっているので、単鎖DNAと一緒に導入することを計画中である。動物組織細胞への遺伝子導入法としては、HVJーリポソ-ム簡便法により効率よく導入できるようになったが、現在までのところ一過的発現しか認められていない。今後細胞増殖が停止した初代肝培養細胞を用いて、遺伝子の組み込みを行なうことができるかどうか、またrecAの効果についてもあわせて検討することを考えている。
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