研究課題/領域番号 |
03301003
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
山田 利明 東洋大学, 文学部, 助教授 (30104897)
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研究分担者 |
前田 繁樹 山村女子短期大学, 国際文化科, 講師 (50209376)
舘野 正美 日本大学, 文理学部, 講師 (20155104)
堀池 信夫 筑波大学, 哲学. 思想系, 助教授 (10091927)
坂出 祥伸 関西大学, 文学部, 教授 (30067574)
福井 文雅 早稲田大学, 文学部, 教授 (40063606)
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キーワード | 道教 / 仏教 / 儒教 / フランス東洋学 / 宗教学 / コレ-・ジュ・ド・フランス / 極東学院 / シナ学 |
研究概要 |
科学研究費総合研究ーAーの本年度における活動は、総じてフランスにおける中国宗教研究の基礎的資料の蒐集と、研究方法の基本的分析を行った。それらは、合計4回にわたる合同研究会で討論され、資料として分担研究者に配布された。こうした活動を通して明らかにされた知見の中から、最近のフランスのシナ学、特にその中国宗教研究の傾向を記してみると、 1)、従来、儀礼研究の多かった中国宗教の研究に、最近は教理や思想的背景を明らかにしようとする研究が目立ってきていること。 2)、上記の傾向にともない、宗教自体の研究だけではなく、その周辺の文学や思想書の研究に重点が移りつつあること。 3)、儒教・仏教・道教の三教の総合的な研究の萠芽がみられること。 4)、儀礼研究がより細分化し、例えば音楽が暝想法・請神法など、個別のテ-マによる研究があらわれてきたこと。 などが、最近の特徴としてあげられる。こうした傾向は、フランスにおける中国宗教研究に対するアプロ-チの拡大を意味するもので、多様な方面からの研究が進展していることを示すものといえる。特に顕著な例としては、宋代以後の道教研究が挙げられるが、これは儒教、特に宋代の朱子学や仏教に関する知識が必須であることを考えると、宗教学としてではなく、むしろ中国哲学の分野での研究がかなり進んでいるものと考えられる。 歴史的研究としては、フランス革命以後のフランス東洋学の原点ともいえる“Memoir Concernote des Chinois"所収論文の分類やその特徴などを討論した。現役階では、まだ基礎的分析にとどまるため、この研究による論文発刊の予定はないが、来年度以降、本研究班全員による成果公刊を考えている。
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