研究課題/領域番号 |
03301004
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
中谷 英明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (20140395)
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研究分担者 |
御牧 克己 京都大学, 文学部, 助教授 (20109060)
徳永 宗雄 京都大学, 文学部, 教授 (70143998)
土田 龍太郎 東京大学, 文学部, 助教授 (20163826)
上村 勝彦 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50072541)
江島 恵教 東京大学, 文学部, 教授 (70115103)
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キーワード | OCRによる入力 / パ-リ聖典 / サンスクリット文献 / 韻律 / 韻律分析プログラム / Pratyaya / Prastara / 無意識領域 |
研究概要 |
平成3年度の主要な成果は次の2点である。 1.OCR(自動読み取り装置)による古典インド語文献の入力。 (1)入力:3年度はRTS版パ-ソテキストを、RECOGNITAーPLUSというハンガリ-・ブダペスト大学によって開発されたソフトによって入力した。平均識字率99%を達成し、パ-リの「リカ-ヤ」全ての入力を終え、なお継続中である。PTS本は印字状態が悪く、残り1%の誤読を解消することに手間取っている。ただし、上述のOCRソフトは優秀であり、印字のよいテキスト入力には極めて有効であることも判明した。(2)チェック・システム:上記の誤読を自動的に発見して修正するシステムを高島淳助教授(愛知学院大)の協力を仰いで現在開発中である。 2.韻律分析プログラムによる研究成果。 本研究グル-プによって開発された、パソコン用韻律分析プログラムMAPS/1を使用し、中谷は7世紀頃に作られたカシュミ-ルの建国譚『ニ-ラマタ・プラ-ナ』の韻律分析を行った。その結果、当初予想もしなかった新事実が明らかになった。サンスクリット詩の大部分を占めるシュロ-カ韻律(1行8音節、4行から成る)の奇数行のPathya律前半および偶数行前半の、第2から4音節の韻律形式の頻度が、Pratyayaと呼ばれる韻律形式の数学的配列と一致するという事実である。すなわち頻度順に、長長長、短長長、長短長、長長短、短長短、長短短とならび、これは禁止形である短短長と短短短とを欠くものの、韻律書にPrat yayaとして規定される2種の配列に一致する。2,500行もの詩行の韻律形の頻度がこのように秩序だった配列を見せる理由はなお未解明であるが、サンスクリットの韻文の層分け、作者分けに、半ば無意識の領域に属するこの部分の韻律分析がたいへん重要であることを、世界で初めて発見したことになるだろう(成果は京都大学人文科学研究所より近刊)。
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