研究課題/領域番号 |
03301010
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相場 覚 北海道大学, 文学部, 教授 (40000559)
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研究分担者 |
〓波 精一郎 大阪大学, 教養部, 教授 (40029616)
辻 敬一郎 名古屋大学, 文学部, 教授 (20023591)
鷲見 成正 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (00051285)
中谷 和夫 東京大学, 文学部, 教授 (00026816)
今井 四郎 北海学園北見大学, 商学部, 教授 (70000586)
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キーワード | 主観的輪郭線 / 多重特徴抽出機構 / 「読み」「移動窓法」サッケード / ミュラー・リヤー錯視 / 継時マスキング / 仮現運動 |
研究概要 |
今年度は、本補助金による研究の最後の年度にあたるのでヒューマン・インターフェイスの概念規定について研究会を開いた折に若干論じられた。またそれとは別にそれぞれの領域での個別の研究がすすめられた。それらのうち主なものは以下のとおりである。 1)主観的輪郭線知覚への輝度および色チャネルの寄与と、それらが刺激の幾何学的特徴によって補間的に働くことがさらに確認された。また主観的輪郭線知覚の生成の時間的要因の検討から、それに関与する多重特徴抽出機構の高次視覚野での情報調和的統合機構についての示唆を得た。 2)視野制限下の「読み」では眼球位置に対応して窓が動く「移動窓法」とその条件下のサッケードの距離から読みのための有効視野を推定できた。 3)従来から行なわれて来た2次元平面内の文字検索タスクを3次元空間のそれに発展させると、そのことによる探索時間の延長がみられた。 4)ミュラー・リヤー錯視において図形を全体的に提示するか部分的にするかによって錯視量に大きな差があらわれた。また後者の条件において能動的に提示した場合は単に受動的にそれを行なった場合にくらべて僅かながら錯視量は大きかった。 5)複数の単音を継時的に聴取したときそれが連続的に聞こえるか断続的に聞こえるかについて、継時マスキングの結果と音の減衰のエンベロープ・パターンからモデル化された。現実場面の音声や音楽演奏の聴取は、このようにして生成されたモデルによく適合することが示された。 6)仮現運動の生起に関係する刺激の物理的要因と観察者の主体的要因(たとえば注意や指示)の間の相互依存性について調べられ、両者の間のマッピングが行われた。
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