研究課題/領域番号 |
03301012
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研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
成瀬 悟策 九州女子大学, 学長 (80037027)
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研究分担者 |
藤岡 孝志 山形大学, 教育学部, 講師 (30199301)
入江 建次 九州女子短期大学, 教授 (10099707)
針塚 進 九州大学, 教育学部, 助教授 (50113973)
鶴 光代 福岡教育大学, 助教授 (00036899)
大野 博之 九州大学, 教育学部, 教授 (00037037)
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キーワード | 高齢者臨床 / 動作法 / 課題動作 / 自己弛緩 / リラクセイション / 自体感 / 自己制御 / 生きる実感 |
研究概要 |
初年度に当たる今年は、研究対象となる高齢者の中から協力を得られる個人ないし集団による協力者群を択ぶことに最大の努力が払われた。各研究分担者の課題によってそれぞれクリニックや研究室で定期的に動作法を実施できる体制が整ってきた。そこでは試行的にさまざまな動作が検討され、有用・有効と思われる課題動作群が抽出された。最初の群はリラクセ-ションのためのものであった。ただ単に筋肉を"弛める"自己弛緩を目標にすることとした。それをより確実に身につけさせるためには弛緩だけでなく、動かすことを中心にシリ-ズを組むことになった。からだのある部位を動かすには、まずそこを弛めなければ動かしようがない。弛めながら動かすか、弛めてから動かすかのいずれかによって初めてリラクセイションが確実に身につくと同時に、自分のからだのそれぞれの部分をより明確に感知し、それを自己操作でき易くなることが分かってきたからである。 実施結果から言えるのは、リラクセイションでは肩胛関節と頚の動きの練習から入るのがよいということである。自体感の明確化、自己操作感の確認、その結果としての自己存在感・自己確実感・自由活動感・主動主体感・自体活性化感など、生きる実感の強化・明確化・確認がそこで得られ易い。次いで横臥での躯幹捻り、タテ直での腰の屈と反の自己操作、頚・肩・背・腰の直による全身一体感、躯幹の各部位別による姿勢の自己制御、歩行における脚・足制御、両手操作によるラテラリテイ一制御などがそうした動作体験をよりいっそう明確化し、深め、豊かにしていくのに有効なことが分かってきた。これらを高齢者に共通の課題と問題別課題とに分けながらその有効性・有用性を確かめていくのが、これからの研究課題である。
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