研究課題/領域番号 |
03301018
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
菊池 幸子 文教大学, 人間科学部, 教授 (50086849)
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研究分担者 |
増子 勝義 福祉社会研究所, 研究部, 主任研究員
森井 利夫 文教大学, 人間科学部, 教授 (90104116)
本田 時雄 文教大学, 人間科学部, 教授 (90110866)
田村 栄一郎 文教大学, 人間科学部, 教授 (60014651)
稲越 孝雄 文教大学, 教育学部, 教授 (80086793)
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キーワード | 地域の教育力 / 学習ニーズの充足 / 地域への帰属 / 学習集団の利用・参加 / 学習成果の還元 / 地域内学習 / 子どもの地域生活 / 学涯学習 |
研究概要 |
本研究の目的達成のための第1段階として、平成3年度は対象地域住民の学習ニーズの調査を実施したが、最終年度である平成4年度は第2段階としてまず、上記学習ニーズの調査に関する集中的な相関分析を行ない(4月〜9月)、これと平行して地域既存の教育機関・学習集団の訪問面接調査(7月〜8月)を実施した。 青少年の地域生活に関する調査は、当該地域に立地する4つの小中学校を抽出し、小中学生を対象としてアンケート調査(10月〜11月)を実施するとともに、休日の地域活動についての観察調査を行ってビデオ撮影によって記録した。 なお青少年、成人、高齢者の学習ニーズの充足と地域の教育力との相関を確認するための総合考察は10月〜1月までの数回の研究会によって検討し、その一致した見解によって報告書をまとめたのである。 1.住民の学習ニーズの充足と地域の教育力について 住民が地域内で学習ニーズを充足し、住民相互のコミュニケーションが円滑にゆき、快適性を味わいつつ生活できるときはその地域社会の人間形成力すなわち地域の教育力が強いであろうという仮説であるが、研究調査の結果次のように実証された。 (1)地域への帰属度を、愛着心、住み心地、施設利用度、参加度を指標として測定したが、年数が長く、高齢の人ほど地域への帰属度が強く、地域内で学習ニーズを充足しようとする意欲も強く、地域内の学習活動に積極的に参加する。 (2)ただし、学習成果を地域社会へあまり還元させていない。すなわち、教育力となり得る資源は地域にあっても、未開発の状態と言わなければならない。 2.青少年にとっての地域の教育力 青少年にとって地域の教育力の影響は希薄である。地域住民の影響力が弱いばかりでなく、小中学生自身が家庭、学校、通塾等に多忙で地域社会と接触が極端に弱いからである。
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