研究概要 |
1.授業の構造モデルの設定:前年度,教授行動の意思決定がリアルに表れる横口・介入授業に着目し,横口・介入の構造モデルを(1)教授行動のカテゴリー,(2)アセスメント手法による教授行動の選択系列のパタークの分析,(3)授業というあいまいさを扱うため,ファジイ集合の知見の導入,というアプローチを導入した作成した。この授業の構造モデルをより精致にする意味で,ある教授行動が生起させる学習行動の各系列の相互作用に着目し,教授行動と学習行動の相互に影響し合う度合いを多段決定過程の構造によって教授・学習行動の相互間のつながりを,子ども同士の横のつながり,子どものCognitive Map法(認知構造図)をふまえ,集団及び個別学習の視点を考慮しながら構造モデルを修正した。 2.横口・介入・模擬授業の分析の方法論について,教授行動の選択系列のアセスメント法によって分析するとともに,それらの授業全体を授業過程の3つの要素,(1)教材解釈の系列,(2)学習場面の設定,(3)教師の働きかけ・子どもの反応応答・教師の対応行動という一連の発問・説明等の過程,をもとに分析し,アセスメント法との整合性をはかりつつ、教授学としての授業技術を抽出し体系化した。 3,日本教育学会第51回大会ラウンドテーブルにおいて.「いま問い直す『斎藤喜博の授業論』(2)」を催し,横須賀薫「斎藤喜博における『教授学』」,高田清「授業研究における“実践記録"の役割」,井上光洋「『未来誕生』の“授業の記録1〜4"の模擬・復元」が提案され,約50名の参加者と共に討議した。このラウンドテーブルのまとめは研究資料として刊行し、ラウンドテーブル参加者および関係研究者に配布した。 4.島小時代の授業記録を復元するために島小時代の教師に聞き取り調査を行いこれにふまえて授業記録を肉付けした。また教授学研究グループの流れをくむ長野県駒ケ根市立赤穂小学校,赤穂東小学校の参観と授業記録を行い,研究資料とした。
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