研究概要 |
1.斎藤喜博の授業実践を,(1)授業者としての授業,(2)解説授業,(3)島小時代の横口授業,(4)退職後の介入授業,(5)模擬授業,(6)模擬授業への介入,の6つに分類し,これらの授業記録を,授業技術支援システムに入力し,基礎資料を作成した。さらに,斎藤喜博の教授行動における意思決定場面を同定し,意思決定の行動(言語・非言語)を抽出し,授業記録に記入した。 2.授業展開の予測と意思決定にもとづく授業の構造モデルの設定:教授行動の意思決定がリアルに表れる横口・介入授業に着目し,横口・介入授業の構造モデルを作成した。(1)教授行動のカテゴリー,(2)アセスメント手法による教授行動の選択系列のパターンの分析,(3)授業というあいまいさを扱うため,ファジイ集合の知見の導入,これら3つのアプローチを適用して,教授・学習行動の構造かをはかり,子どもの学習行動の反応・応答系列との対応関係を,教授行動の意思決定モデルとして表現し,斎藤喜博の授業を分析するのに適した授業モデルを作成した。 3.日本教育学会第50回大会及び51回大会ラウンドテーブルにおいて,「いま問い直す『斎藤喜博の授業論』(1・2)」を催し,望月善次,横須加薫,高田清,井上光洋の提案に基づいて,それぞれ約50名の参加者と共に討議した。このラウンドテーブルのまとめは研究資料として刊行し、ラウンドテーブル参加者および関係研究者に配布した。 .島小時代の授業記録を復元するために島小時代の教師に聞き取り調査を行い,これにふまえて授業記録を肉付けした。また教授学研究グループの流れをくむ長野県駒ケ根市立赤穂小学校,赤穂東小学校の参観と授業記録を行い,研究資料とした。
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