研究課題/領域番号 |
03301031
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
江淵 一公 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (60036845)
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研究分担者 |
安原 義仁 広島大学, 教育学部, 助教授 (00093823)
馬越 徹 名古屋大学, 教育学部, 教授 (60000030)
天野 正治 筑波大学, 教育学系, 教授 (50000055)
手塚 武彦 国立教育研究所, 次長 (50000039)
石附 実 大阪市立大学, 文学部, 教授 (40068721)
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キーワード | 留学交流 / 留学生受入れ / アフタ-ケア / エラスムス計画 / 組織的学生流動化 / 高等教育の国際化 / グロ-バリゼ-ション / 留学生政策 |
研究概要 |
今年度は、(1)留学生受入れ及び教育のシステムとアフタ-ケアのシステムについて、とくに機関レベルの政策及びインフラストラクチャ-の整備の問題に焦点づけて諸国の今日的動向を把握すること、及び、(2)近年、顕著な進展をみせている、二大学間・多大学間交流協定のもとでの組織的学生流動化計画による留学生交流の動向と問題点を具体的に事例に基づいて明らかにし、そうした計画のもつ、大学の国際化ないし高等教育のグロ-バリゼ-ションにおける意義や将来的展望を把握すること、の2点に主眼をおき、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、及び日本の6カ国について調査班を設け比較研究を進めた。 今年度の研究から明らかになった主要な点を要約すると次の3点になる。(1)各国の留学生政策は、外交問題や労働移民問題に対する対応策とある種の関連をもっているため、留学交流政策の意味を正確に把握するには、知識や技術の国境を超えた伝達・転移という狭い意味の留学交流の政策を取り上げるだけでは不十分であり、文化政策や科学政策、労働移民対策等を含めた“総合文化戦略"の中に位置づけて考察する必要があること。(2)そうした視野から、各国のアフタ-ケア政策を含む包括的な留学交流政策の比較研究にかんする理論的モデルの構築を試みることが必要であると考えられること。この理論的モデルの追究に際しては、留学交流にかんする“非欧米的視点"をどのように考えるかという問題も含まれるが、これらの問題の検討は次年度の課題である。(3)留学交流政策の新局面として注目されるECの「エラスムス計画」等、大学間協力ネットワ-クによる組織的な学生・教職員流動化計画では、大学の組織や教育課程・履修条件の国際的共通化が大きな課題となっていること、また、組織的移動学生と自由移動学生の格差の問題も顕在化しつつあること。
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