研究課題/領域番号 |
03301033
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
村上 曙郎 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (90076274)
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研究分担者 |
栗田 真司 山梨大学, 教育学部, 助教授 (00195554)
水島 直喜 山形大学, 教育学部, 助教授 (20219629)
山田 一美 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (80210441)
前村 晃 佐賀大学, 教育学部, 助教授 (90157157)
仲瀬 律久 筑波大学, 芸術系, 教授
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キーワード | 描画課題に用いる言語 / 動きを表はす方向性 / 描画と文化的伝承 / 描画と教育 |
研究概要 |
日、仏、中共同研究第2次課題「1羽の鶏が1本の木の前を歩いている」の描画分析から得た成果要約。 (1) 使用言語「鶏」について、日本では鶏としたが、フランスではCog(雄鶏)とした。中国も雄鶏とした。フランスでは雄鶏は国のシンボルマークで、賢さ、正義、勇気ある行動を意味する。男子はそのマークを好むという。フランスの男子の描画からは4本足の鳥は見られないで、女子のみ4本足を描いた例がみられた。中国の300枚の描画から1枚のみ4本足の鳥があった。日本では6才〜成人の描画から、男女関係なく約10%の4本足がみられた。 (2)歩く鶏の方向について。中国、日本の描画の多くは左向きであるのに対しフランスでは年令が高まるにつれて右向きが増す。欧米では時間、動きの変化は左から右へ移行すると考える傾向があるという。 (3) 木と鶏の位置について。日仏共に木と鶏が重なって描かれるケースが多いのに対して、中国では「木」「鶏」が独立した形(離れている様式)が多い。 (4) 事物の表現の形式について。 各国共にテレビジョン、教科書、漫画の影響が強い。中国の描画には教科書や少年営での伝承的表現に従った巧者な表現がみられた。 (注)以上の内容については文部省科学研究費によって刊行した「美術教育における国際理解の実践的研究」に報告し、尚又1993年のINSEAモントリオール大会で報告した。本年12月にはソルボンヌ大学で日仏間の資料検討が行われる。
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