研究概要 |
(1)本年度は,日米の短期大学関係および一般教育関係の基本的な文献図書や資料,雑誌,新聞等の論文・記事を収集し,それらを体系的に整理分類して,両国の一般教育の理念とその歴史的変遷をたどり,類似点や相違点を明らかにするため,比較分析を行った。これとの関連で今年度2回開催した各総合において,わが国およびアメリカの一般教育の理念とその歴史的変遷に関する研究発表を質議討論を行った。 (2)本調査の対象校となったわが国の国公私立の35校の短期大学のうち32校およびアメリカの公私立の短期大学75校のうち,50校がそれぞれ大学案内,講義要綱,履修便覧(ブルティン,カタログ),教員および学生便覧を送付した。それらの文献資料を整理分類し,両国の一般教育の履修要件,カリキュラム上の構成と位置付けに着目し,改革動向等を明らかにしながら,比較分析を行った。 (3)日米の短期大学における一般教育を中心とした接続関係の現状,特にアメリカに見られる異なったレベルの大学間の一般的および学科目別の接続関係協定について分析し,単位互換,二重在籍,高校在学中に大学レベルの一般教育の教育課程を履修し,科目別の試験に合格すれば,あらかじめ大学の単位を取得できる特別進級試験(AP)の実態を究明した。 (4)わが国の35校の短期大学の事例校の学生3,500人,教員700人,管理者35人を対象として,一般教育に対する意識に関する本調査を実施し,回答校は実に100%に達し,教職員・学生いずれも高い回収率を示し,調査デ-タをコンピュ-タに入力し,単純集計を算出した。 (5)本研究と関連して得た新しい知見として,「一般教育科目と専門教育科目の区分を設けないこととする」という,わが国の短期大学設置基準を改正が平成3年に施行され,多くの短期大学が,一般教育科目を中心とする教育課程を大きく改訂しようとする過渡期にあることであった。
|