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1992 年度 実績報告書

フランス16世紀から18世紀における演劇表現の変遷過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03301056
研究機関早稲田大学

研究代表者

伊藤 洋  早稲田大学, 教育学部, 教授 (60063591)

研究分担者 橋本 能  中央大学, 商学部, 教授 (50119426)
戸口 民也  長崎外国語短期大学, 教授
藤井 康生  大阪市立大学, 文学部, 教授 (00047169)
井村 順一  東京大学, 教養学部, 教授 (00012328)
佐藤 実枝  早稲田大学, 文学部, 教授 (40063531)
キーワードフランス / 演劇 / 16,17,18世紀
研究概要

本研究は、17世紀を絶頂期として、その前後16世紀から18世紀にかけて成立したフランス演劇の伝統の変遷を総合的に探ることを主たる目的として出発した。これによって、16世紀の人文主義演劇からバロック演劇、古典主義演劇、さらに18世紀啓蒙時代の演劇へと移行する過程が解明されると考えたからである。
今年度得た知見の一つは、16世紀の静的な「哀歌」の演劇から動的なバロック演劇への移行には劇場建築の発展、言い換えれば遠近法を駆使した上演舞台が大いに関係したのではないかということである。つまりただ耳で美しい詩を聞かせるだけでなく、「真実らしく」て目も楽しませる技術を生かしてスぺクタクル性豊かな芝居を作ったのである。
それが行き過ぎると荒唐無稽なものも多くなり「真実らしさvraise7blance」から離れ、折からCorneilleらによって開発された深い心理描写の作劇法に変わっていく。そのとき戯曲は修辞法Rhetoriqueを尊び、各種の「規則」を重んじて自らを縛り、スペクタクル性をむしろ二の次にした。これが古典主義演劇であろう。さらに“vrasisemblance"を追求したところから、例えば17世紀に見られる"Stanc"も次の世紀には消滅し、より日常会話的やものへと変化していく。
こうしていくつか浮かび上がってきた変遷過程の特徴をまとめれば、16〜18世紀のフランス演劇は常に底流で「真実らしさ」の追求をし、そのために各時代ともさまざまな「規則」や「制約」を設け、そこから逆にレトリックも発達したように思えることである。なお今後、「各論」を掘り下げながら、全体的な、より確固たる結論を得るように努めたい。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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