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1991 年度 実績報告書

第二次大戦後の東欧における宗教文化の変溶

研究課題

研究課題/領域番号 03301059
研究機関文化女子大学

研究代表者

直野 敦  文化女子大学, 文学部, 教授 (00012435)

研究分担者 チェスター プロシャン  文化女子大学, 文学部, 助教授
三谷 恵子  東京大学, 文学部, 助手 (10229726)
沼野 充義  東京大学, 教養学部, 助教授 (40180690)
亘 純吉  文化女子大学, 短期大学部, 助教授 (60099546)
藤田 啓子  文化女子大学, 短期大学部, 助教授 (90211523)
小原 雅俊  大東文化大学, 文学部, 教授 (70161966)
栗原 成郎  東京大学, 文学部, 教授 (70012359)
吉上 昭三  創価大学, 文学部, 教授 (60012522)
米川 哲夫  東京国際大学, 経済学部, 教授 (60012241)
キーワード宗教文化 / 東欧 / 第二次世界大戦 / マルクス・レ-ニン主義 / カトリック / 東方正教会 / ユダヤ人社会 / 文化的変溶
研究概要

本研究は、東欧諸地域における社会・政治体制と宗教勢力との関係の中で、宗教文化(教会,宗教研究、宗教芸術、宗教文学など)がどのように変化し、発展してきたかを分析しつつ、新しい政治体制の下での宗教文化の発展の可能性を探り、東欧文化圏の研究に寄与することを目指すものである。
本年度は、東欧諸地域が政治・社会体制の変革によって激変しつつある現在、宗教文化も変貌せざるを得ない、との認識にたって、根本資料の収集と研究会での討議、分析を行い、以下のことを明らかにした。
(1) 第二次世界大戦後に東欧諸国に成立した政治・社会体制は約千年に近い伝統を持つ宗教文化に対しては本質的にこれを抑制・批判する立場をとった。これは、無神論・唯物論を原則とするマルクス・レ-ニン主義が国家の指導的イデオロギ-となったことの必然的結果であった。
(2) しかし、それぞれの国において体制と宗教文化との関係は一様ではなかった。ポ-ランドにおいては、カトリック教会は異民族支配の下での民族的低抗の指導的勢力として、国民の間に深い支持を持ち続けた。それは、1989年に至る政治・社会改革を生みだす中心となった。
(3) 他方、バルカン諸国においては、東方正教会は共産院政権に対してより妥協的な態度をとり、政権の側でも非政治的な分野での教会の活動に対してある程度寛容な政策をとった。また、半世紀に及ぶ時間的経過の中で、両者の関係は様々に変化してきた。
(4) 宗教文化は、われわれの「内」と「外」の全てを含む有価値的な存在を説明するものであり、近代の思想の基層をなす「個人」を初めとする人間の様々な精神活動の温床でもあった。これと対峠したマルクス・レ-ニン主義を基盤とする価値観は、この動きを内包したかのように活動したが、現状は宗教文化を常にアンチテ-ゼとして背景に持っていた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 直野 敦: "ル-マニアの文学と宗教" 文化女子大学研究紀要. 24. (1992)

  • [文献書誌] チェスタ-・プロシャン: "ユダヤ人社会の生活と宗教" 東欧文化研究会会報. 1. (1992)

  • [文献書誌] 亘 純吉: "映像と宗教的イメ-ジ" 東欧文化研究会会報. 1. (1992)

  • [文献書誌] 藤田 啓子: "宗教画に見られる図像的変遷" 東欧文化研究会会報. 1. (1992)

  • [文献書誌] 直野 敦: "第二次大戦後の東欧における宗教文化の変容" 東欧文化研究会会報. 1. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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