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1991 年度 実績報告書

バシリカ法典成立過程の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03301062
研究機関九州大学

研究代表者

西村 重雄  九州大学, 法学部, 教授 (30005821)

研究分担者 瀧澤 栄治  神戸大学, 法学部, 助教授 (10183451)
神宮 典夫  西南学院大学, 法学部, 助教授 (60177590)
野田 龍一  福岡大学, 法学部, 教授 (30156210)
吉原 達也  広島大学, 法学部, 教授 (80127737)
キーワードユ-スティ-ニア-ヌス大帝 / バシリカ法典 / Marcellus / Ulpianus / フィレンツェ写本
研究概要

ユ-スティ-ニア-ヌス大帝はその法典の発布勅令において、同法典の解釈を禁じ、厳密な遂語訳のみを許したと解されてきた。そのため、ビザンツ法学者によるユ帝法典のギリシャ語訳ないし要約は、ユ帝法と同一内容であり、その集体成であるバシリカ法典および同注釈はユ帝法校訂および理解の基礎と考えられているが、これは極めて問題を含むことが明らかとなった。すなわち、ユ帝は今日の意味での解釈は実際には許しており、また、ギリシャ語への訳出に際し、解釈を含んだ理解に基づく訳出が行なわれていること、従って、バシリカ法典および同注釈に伝えられるギリシャ語法史料は、ユ帝法そのものと考えるのではなく、それを基礎とする1つの別個独立の法として考察すべきものとの立場に至った。
本年度は、バシリカ法典写本中浩潤な注釈を含むCa写本およびP写本によって伝えられる委任法関係(D,17,1,C3,45)に対応のバシリカ法典の詳細な検討により、いくつかの具体的成果を生んだ。その例を若干挙げれば、D、17、1、49における非所有者の委託による自己所有者の売却につき、古典期法学者Marcellusは、真所有者への対抗方法につき言及しないのに、ビザンツ法学者は特定の抗弁を言及し展開していること、委任反対訴権におけるinfamia効を保証求償について認めるD,3,2,6,5(Ulpianus)を、ビザンツ法学者はこれを保証求償の場合に限られた例外と考えようとしており、ユ帝による修正と考えるべきできないと解すべきこと、などである。
なお、流布本写本をフィレンツェ写本校訂に利用しうる範囲およびその限度、さらに、西欧の中世注釈学派の作業方法とビザンツ法学者の作業方法の近似性についても、いくつかの知見を得ることとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 西村 重雄: "表見所有者による売却委任" 法政研究. 58. (1992)

  • [文献書誌] NISHIMURA,S(D.NO^^¨RR 編): "Mommsens Beru^^¨cksichtigung der Basiliken bei D.17.1." Mandatum und Verwantes(Springla社). (1993)

  • [文献書誌] NODA,R(D,NO^^¨RR 編): "Die schadenaersatzpflicht des Auftraggebers:ーD.17.1.26,6/7 und jap.BGB §650III" Mandatum und Verwantes(Springle社). (1993)

  • [文献書誌] Takizawa,E(D,NO^^¨RR 編): "Actio institutoria bei Basiliken" Mandatum und Verwantes(Springle社). (1993)

  • [文献書誌] NISHIMURA,S: "InfamiaーWirkung bei actio nandnti contrariaーD,3,2,6,5ーund B,21,2,6" Studi in onore del Prof.D.Maffei. (1993)

  • [文献書誌] 西村 重雄: "保証人の事前求償権の史的考察" 鈴木禄弥教授古希記念論文集. (1993)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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