研究課題/領域番号 |
03301062
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 重雄 九州大学, 法学部, 教授 (30005821)
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研究分担者 |
河内 宏 九州大学, 法学部, 教授 (40037073)
瀧澤 栄治 神戸大学, 法学部, 教授 (10183451)
神宮 典夫 西南学院大学, 法学部, 教授 (60177590)
吉原 達也 広島大学, 法学部, 教授 (80127737)
野田 龍一 福岡大学, 法学部, 教授 (30156210)
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キーワード | バシリカ法典 / ユースティーニアーヌス大帝 / 学説彙纂 / Marcellus / STepbanus |
研究概要 |
バシリカ法典本文においては.ユースティーニアヌス帝の「学説彙纂」が各法文につきその法学者,著作名および巻数を示してその出所を明らかにするのに対し.法学者名の記載にとどまり,場合により、それも欠落する.Marcellus関係法文のバシリカ法典本文および注釈の全面的な検討の結果.本文中ではMarcellusなMaces,Marcianusの法学者名と混同して伝えられ.注釈中ではかなり正確に伝えられていることが判明した.このことは.6.7世紀と10世紀で.古資料に対する態度が根本的に相違すること.また.「学説彙纂」法学者名補訂につきバシリカ法典本文と注釈とを区別すべきこととなり.モムゼンの補訂作業の再検討の必要を示す. さらに.バシリカ法典12巻1章の詳細な検討・訳出作業の中で.ビザンツ法学者の注釈中.古典期の定義を更に展開している事例(組合解消原因たるegestas〔貧窮〕をpouperitas〔貧困〕と区別し.後者を50〓以下の所持と定義),また古典期の規律についての不知ないし無視と思われる事例(贈与目的の組合禁止につきキンキウス法ないし.奴隷開放時の主人への贈与強制禁止への言及ないこと)などが見られ.注釈者Stephanusの古典法知識水準を知りうる.したがって.今後の研究は.ビザンツ法学者各個人の記述を集め.その作業方法を分析することが重要であると思われる.
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