研究課題/領域番号 |
03301068
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
正田 彬 上智大学, 法学部, 教授 (10051137)
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研究分担者 |
金井 貴嗣 中央大学, 法学部, 教授 (50102877)
高橋 岩和 神奈川大学, 短期大学部, 教授
舟田 正之 立教大学, 法学部, 教授 (60062676)
野木村 忠邦 日本大学, 法学部, 教授 (10096878)
本間 重紀 静岡大学, 人文学部, 教授 (30013014)
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キーワード | 企業集中 / 法社会学 / 企業集団 / 下請系列 / 流通系列 / 国際化 |
研究概要 |
本研究は欧米諸国等からの対日批判を手掛りとしながら、日本の「企業集中」と法の特殊性、その現段階と変化の方向を検討することを目的とする。今年度はこの課題に即して次の研究を進めた。 第一に生産・下請系列については自動車・同部品産業の下請取引の実状に関し集中的な現地調査とデータの収集を進めた。特に現実の下請取引の法慣行に関し、基本契約、個別契約、品質保証協定、損失補償契約、検収取決めなど具電的なレベルまでおりて特殊日本的な法現象の諸特質を明らかにし、これとの関係で、またドイツ・アメリカとの比較研究を含め、いわゆるリーン生産方式を媒介する法現象の評価を行った。 第二にコンピュータ産業の国内外の提携関係、コンピュータ・ネットワークやソフト開発にともなう知的所有権等の法的問題の検討を進めた。また通信を含む情報産業をめぐる政府規制の検討も行った。 第三に流通系列化と再販売契約、大規模小売店舗法、農業共同組合など、流通をめぐる政府規制と独占禁止法の今日的な在り方についても広く検討を進めた。また独占禁止法について、刑事罰強化など、近時の強化的改正の方向を吟味した。 これらの各系列の研究および平成三年度の研究をとりまとめることによって、企業集団・生産・下請系列・流通系列など特殊日本的な「企業集中」を担保する法現象の特質に関する新たな知見が獲得され、体験的な整理が進められた。
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