研究課題
平成四年度の没収・追徴研究会の動活は、3月28日から31までの北海道合宿で始まった。第一日目には、北海道大学を会場にして、林幹人会員が、没収の要件としての犯罪行為の特定と没収の範囲との関係について報告を行った。第二日目には、ニセコプリンスホテルを会場にして、林美月子会員が没収と犯罪の均衡の問題について報告し、さらにゲスト報告者である明治学院大学の和田吉弘氏が、民事法の立場から、麻薬新法における没収・追徴に関する保全手続について報告をされた。第三日目には、長井圓会員が、制約物品をそのまま流通させて監視・追跡(いわゆるコントロールド・デリバリー)の問題点について報告を行った。続いて、6月27日には、上智大学を会場にして、研究会を行った。そこでは大越義久会員が、ドイツにおける没収・追徴について報告し、安村勉会員が国連における、コントロールド・デリバリーについての議論を紹介した。また、ゲストとして日弁連刑法改正対策委員会・麻薬新法特別委員会事局長の黒田純吉氏と法務省青少年課の古田佑紀氏を招き、コメントをお願いした。8月27日から31日には沖縄合宿を行った。第一日目には清水一成会員が、比較法的見地からアジア諸国における没収・追徴の制度を紹介した。第二日目には沖縄県警からゲストを招き、沖縄における麻薬・覚醒剤犯罪とその取締の実態について報告をお願いした。第三日目には田中利幸会員が行政犯罪における没収・追徴について報告し、また研究会終了後に、研究報告書作成についての打ち合わせを行った。