研究課題/領域番号 |
03301073
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
一般理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 正寛 東京大学, 経済学部, 教授 (40114988)
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研究分担者 |
岡田 章 京都大学, 経済研究所, 助教授 (90152298)
伊藤 秀史 京都大学, 経済学部, 助教授 (80203165)
川又 邦雄 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (30051569)
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
宇沢 弘文 東京大学, 経済学部, 名誉教授 (20012106)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | ゲーム理論 / 社会選択 / 自由と権利 / 進化論的ゲーム理論 / ゲームの実験 / 組織と慣行 / 地球環境対策 / 非線形動学システム |
研究概要 |
本研究では、ゲーム理論と動学的経済システム理論を分析視点として、経済システムにおける社会制度と社会環境のあり方を検討し、組織・慣行や地球環境などに関わる新しい分析枠組みを構築することを試みた。 1.まず第一に、異なる社会制度や社会環境の下での分権的な資源配分のあり方を検討することで、望ましい社会制度や社会環境を設計するためのゲーム理論的研究を行った。具体的には、社会的意志決定を分権的に実現するための社会制度(メカニズム)に「くじ」を導入することの意味と効果、社会の各成員の選択肢を制限することによる「自由」と「効率」とのトレードオフの分析などを試みた。また、限定合理性しか持たないプレイヤーの行動を分析する「進化論的ゲーム理論」を使ってプレイヤー間の協調を引き出す上での慣行の役割を明らかにし、被験者に実際にゲームをプレイさせることで意志決定における社会的慣習の役割を明らかにした。 2.企業組織における権限の下部委譲、賃金構造、昇進システムのあり方などが、どのように従業員の協力形態や情報の共有に影響を与えるかを分析し、他国と比較した日本の企業組織の特徴を明らかにした。また、わが国の電気通信業における望ましい産業構造のあり方と行政的介入のあり方を検討した。 3.動学的な効率性だけでなく国際的な公平性の視点を導入することで、地球環境対策としての炭素税の望ましいあり方を明らかにした。さらに、非線形動学的システムを使って景気の動学的・国際的波吸メカニズムを明らかにし、不完全競争モデルを使ったマクロモデルによって非対称的情報が投資活動を通じて与えるマクロ経済への効果を明らかにした。
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