研究課題/領域番号 |
03301085
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
島崎 美代子 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (60076180)
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研究分担者 |
後藤 順久 日本福祉大学, 経済大学, 助教授 (90215509)
二連 孝昭 日本福祉大学, 経済大学, 助教授 (60127686)
金持 伸子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70068360)
三輪 憲次 日本福祉大学, 経済学部, 助教授 (00140020)
丸山 優 日本福祉大学, 経済学部, 助教授 (70140019)
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キーワード | 産業組織 / 中小企業 / 産業地域 / ネットワーク / イノベーション / 下請け / 多品種少量生産 / フレキシブル・スペシャリゼーション |
研究概要 |
本研究は、東海地域における産業組織の典型として、(1)自律的でイノベイティブな中堅・中小企業群(主として浜松地域)、(2)トヨタを元請けとする自動車関連の下請け中小企業群(主として愛知県)、(3)伝統的な産業地域を形成する中小企業群(主として岐阜県)、の3つを設定し、それらの企業群の構造変化と発展方向をそれぞれの地域の特性と関連づけながら調査、解明しようというものであった。またそうした検討の中で、構造的な転換期にある企業の、イノベイションを持続し自己発展を遂げるための組織の在り方の仮説的モデルを設定し検証するという研究方向もとられた。特にそこでは、大量生産・大量消費型に対応した大企業組織とそのヒエラルキー的分業から、中堅中小企業の水平的なネットワーク的分業への企業組織、産業組織が変化していくという点、およびそうしたネットワーク的企業群が産業地域の重要な構成部分として地域を変化、発展させていくという点が仮説の重要な要素となった。 本研究では、(1)の企業群の中に仮説を検証しうるモデル的な企業組織と産業地域を見出し、それらの特質の分析を行うことができた。(2)の企業群では脱下請けや逆下請けの傾向が増大している局面を確認し、ヒエラルキー的分業の構造変化についての分析を行うことができた。(3)の企業群においてもネットワーク的構造の存在を確認したが、伝統産業地域のイノベーションの方向については充分な検証には至らなかった。全体として、当初の研究目標に接近することができたが、バブル崩壊後の不況期における産業組織の状況については、調査研究の当初の範囲を越えており、充分な対応をすることができなかった。今後の補足研究が必要となっている。
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