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1991 年度 実績報告書

植民地期インドにおける農村工業等の展開と農村構造の変容:日本の経験を背景に

研究課題

研究課題/領域番号 03301087
研究機関東京大学

研究代表者

柳澤 悠  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20046121)

研究分担者 大野 昭彦  成蹊大学, 経済学部, 助教授 (20176960)
水島 司  東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 助教授 (70126283)
中里 成章  神戸大学, 文学部, 助教授 (30114581)
谷口 晋吉  一橋大学, 経済学部, 教授 (50114955)
清川 雪彦  一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017663)
キーワードインド経済史 / 農村工業 / 手工業 / 適正技術 / 農業発展 / 糖業 / 皮革業 / 日本農業史
研究概要

1.本年度には、計4回の研究会を開催した。研究会等を通じて明かとなった主な新知見は、次の通りである。
(1)南インド農業における19世紀の変容には、集約化の進展や隷属的労働者の減少など18・19世紀における日本農業の変容と大きな類似点が存在する。しかし、多量の農業労働者が20世紀以降も残存する点など、日本のそれと重要な差異も存在した。
(2)18世紀末の東インドの農村では、小農民層の富農的発展が見られ、イギリスのザミンダ-リ-制度の導入もこうした下からの展開との関連で把握されるべきである。
(3)インドの在来製糖業は、技術革新を行なうことによってインド内の近代的製糖業に対する競争力を強め、その技術は、インドの状況に適応した、労働吸収的な適正技術であった。
(4)インドの在来繊物業は、必ずしも没落せず一部は発展した。下層階層が衣服に関する社会的制約から多少とも解放されて、儀式用人絹織物などを需要するようになったことが、手織業の残存・発展の一要因である。
(5)他方、農業従事者の農閑期余業の展開は非常に弱く、例えば農業労働者たる「不可触民」の手織業従事者は、工場製品との競合関係により、衰退した。この点に、日本との重要な差異の一つがあろう。また、「不可触民」の伝統的な職たる皮革業は非「不可触民」商人の支配下に編入されて、「不可触民」による経営としての発展の道が閉ざされたように思われる。日本との比較が重要である。
2.ロンドン・インド省図書館、インド各地の政府公文書館などからの史料収集作業はかなり進捗した。また、ロンドンにおいて1992年7月に行なわれる研究会へのペ-パ-作成は進展した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 柳沢 悠: "「植民地期南インド手織業の変容と消費構造」" 『東洋文化研究所紀要』. 118冊. 65-117 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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