研究分担者 |
酒井 シヅ 順天堂大学, 医学部, 教授 (00053033)
菅原 国香 東洋大学, 工学部, 助教授 (50058088)
中村 邦光 日本大学, 農獣医学部, 教授 (60059201)
板倉 聖宣 国立教育研究所, 科学教育センター, 研究室長 (00000042)
吉田 忠 東北大学, 文学部, 教授 (60004058)
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研究概要 |
研究分担者が各自のテ-マに従って,おのおのの好都合な時期を選んで,狙いとしている資料の存在する図書館等への調査におもむいた。 課題が西欧科学技術導入期(江戸後期から明治前期が主)の外来学術用語を取扱うので,長崎県立長崎図書館,長崎大学付属図書館医学部分館などの所在する長崎市へ旅するものが目立った。しかし開拓使時代の札幌農学校旧蔵資料に着目し,北海道へおもむいた者もおり,香川大学付属図書館所蔵のオランダ語古辞書を見に,四国へ渡った者もある。 次に外来学術用語の形成を分析するために,原語とその訳語の対照を示すデ-タを作成し,入力を始めたが,なじみの薄い言語(オランダ語など)の綴字法に作業者が校正に時間を要し,訳語の漢語にパソコンではなじまない文字もあって,能率的に片付けられなかった。 本年度は基礎作業の段階であって,研究成果がまとまっておらず,業績報告は,研究分担者からも通報がない。しかし,西欧学術用語の日本語化に際しては,中国語の介在,あるいは中国語文献中に表われた思弁的用語の援用,慾意的な利用,極端な場合には誤った使い方もあったのではないかと推測される。あらたに合成して用語を作った場合もある。その定着過程についても,予断を許さないものがあり,現時点では軽率な判断を示す訳にはいかない。 次年度においては,研究分担者を中核とし,関心ある研究者の参集を求め,総合的に検討する機会を設け,大いに討論することを考えている。
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