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1992 年度 実績報告書

西欧科学技術導入期における外来学術用語の日本語化過程の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03301095
研究機関東海大学

研究代表者

石山 洋  東海大学, 課程資格教育センター, 教授 (60223038)

研究分担者 片桐 一男  青山学院大学, 文学部, 教授 (70118719)
佐藤 達策  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (10050022)
板倉 聖宣  国立教育研究所科学教育センター, 研究室長 (00000042)
吉田 忠  東北大学, 文学部, 教授 (60004058)
中山 茂  神奈川大学, 経営学部, 教授 (40012348)
キーワード学術用語 / 医学用語 / 化学用語 / 訳語
研究概要

「頭脳明晰」とか「頭が悪い」とかいう表現は杉田玄白訳著『解体新書』以前にはなかった。日本人は胸で考えると認識していたからである。従って脳神経の概念はなかった。こうした新概念導入に際し,それをどのように表現するか,先人の苦労は大きかった。たとえば,化学の場合は,Scheikundeを始め分離術,分析術あるいは製煉術などと訳した。そのうち,高野長英らが分離だけでなく,合成もあることを知り,分合術と改めた。宇田川榕菴は始め銷錬疏分術と述べたが、単純でないことを知り,音訳による舎密という。化学の語は中国に布教したイギリス人宣教師ウイリアム・ワイリーの業績「六合叢談」に見られ,中国からの伝播によるものと推定されている。もっとも酸素・水素などの原素や溶解・飽和・結晶・試薬・還元などの用語が宇田川榕菴の化学書『舎密開票』において確立した訳語であることを忘れることはできない。日本が蘭学を通じて西欧学術に接したことは,割合広く英・仏・独等各国のすぐれた学術書をオランダ語訳を通して吸収できた利点を持つが,訳語の面でも,オランダ語は有益どみられる。オランダの万能学者ステヴェンによってオランダ語の科学用語の作成法が工夫され,それがわが国にも良い影響をもたらしたとの分担研究者の報告がある(吉田忠)。佐藤達策は田中芳男による西欧動物学の受容を追求して,明治初年における教育用掛図の作成に,江戸時代末期に学びとっていた知識を役立てていることを立証した。このほか,中村邦光・板倉聖宣は力学用語について,菅原国香は原子めぐる化学用語について、新たな進展を報じた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐藤 達策: "田中芳男に見られる西欧動物学の受容と紹介" 洋学史通信. 3. 2-1 (1993)

  • [文献書誌] 石山 洋: "科学文献に読む江戸時代2" 日本古書通信. 763. 12-14 (1993)

  • [文献書誌] 石山 洋: "科学文献に読む江戸時代3" 日本古書通信. 764. 12-14 (1993)

  • [文献書誌] 石山 洋: "科学文献に読む江戸時代1" 日本古書通信. 762. 8-10 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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