研究課題/領域番号 |
03301102
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤田 宏 明治大学, 理工学部, 教授 (80011427)
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研究分担者 |
松本 幸夫 東京大学, 理学部, 教授 (20011637)
細井 勉 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30055305)
森本 光生 上智大学, 理工学部, 教授 (80053677)
飯高 茂 学習院大学, 理学部, 教授 (20011588)
沢田 利夫 国立教育研究所, 科学教育研究センター, センター長 (40000062)
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キーワード | 数学教育 / 指導要領 / 数学的リテラシ- / 数学的思考力 / 大学入試 / センタ-入試 / 数学離れ |
研究概要 |
新指導要領のもとでの高校数学教育の問題点を検討し、本年度において、次の基本的な認識が確認された。 1.社会の各分野で数学的素養が格段に要求される新時代のための数学教育では、力点を数学的リテラシ-の育成と数学的思考力の強化の両者にバランスよくおいて構築すべきである。新指導要領はその成功の可能性を拓くものである。 2.時代の要請に反して、高校生の数学に対する態度・熱意は後退の傾向である。日本の衰微にもながりかねないこの寒心事は、世代のメンタリティや教育現場における「学理よりも生活指導」の幣風の弥慢によるものともみなせるが、数学教育の目的を明確に把握した教師の努力により、また、大学・社会の指導層の理解ある応援により歯止めをかける必要がある。 3.当面の緊急事として大学入試、とくにセンタ-入試が高校生の数学の履修、とくに選択科目の履修を激励するように構築される必要がある。指導要領における選択性の拡大の活かし方および上記の"数学離れ"の歯止めの趣旨からも、大学入試の牽引力を建設的に働かせる必要がある。 以上の課題の具体的対策が鋭意検討されていて、次年度においてまとめられる見込みである。 1991年8月に中国で開催されたICMIーChinaの地域国際会議および11月のシカゴで開催されたNCTMーUCSMPの国際シンポジウム等の国際的な数学教育の研究の場において、上記の知見が発表され深い関心と高い評価を受けた。
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