研究分担者 |
向井 茂 名古屋大学, 理学部, 教授 (80115641)
森田 茂之 東京工業大学, 理学部, 教授 (70011674)
砂田 利一 東北大学, 理学部, 教授 (20022741)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
伊原 康隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70011484)
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研究概要 |
本研究は,前年度までの基礎数理に関する研究計画及び成果を受け継ぎ,数理科学の基礎的分野の発展をさらに促進することを目的としていた.平成5年度は,3年度4年度の実績を考慮に入れて,基礎数理の総合研究を初めて以来の懸案であった情報数理の研究など,将来の発展の目となるような基礎的研究も行った.すなわち,情報科学等の応用数理の目ざましい発展の中で,基礎数理の立場から積極的に関わる姿勢を示すことが,現在重要であるとの認識を持つからである.また広く国際的視野にたった研究の推進にもこれまでと同様に力をいれ,いくつかの重点プロジェクトと,その他の研究交流の活動を積極的に支援した.中でも京都大学数理解析研究所において行われたプロジェクト研究「数論とモデュライ」では,国内参加者の旅費を援助し,わが国の研究者と外国からの参加者の間の研究交流を可能にした.このプロジェクト研究では,わが国のこの方面の研究の水準の高さを内外に示したと言える,この他,来年度計画されている「代数的組合せ論」の準備会も開催し,本研究の継続的活動の布石を打った.また,日本数学会夏期研究集会の開催にも積極的に関わり,国際的視野に立った活動の一翼を担った.この他,基礎数理の若手研究者の研究交流の支援,これまでの研究成果の報告書として,Advanced Studies in Pure mathematicsの継続出版を行うなど,積極的活動を行った.このように,数学の既成諸分野の再編が進行する中で,基礎数理の諸分野の交流ばかりではなく,情報数理の研究のように,応用分野との交流も深め,独創的研究分野を開拓する環境を作る努力を行った.
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