研究分担者 |
中尾 慎太郎 金沢大学, 理学部, 教授 (90030783)
竹中 茂夫 広島大学, 理学部, 助教授 (80022680)
浜地 敏弘 九州大学, 教養部, 教授 (20037253)
木上 淳 大阪大学, 数養部, 講師 (90202035)
楠岡 成雄 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00114463)
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研究概要 |
確率解析を理論,応用両面で深めるという研究目的に沿った申請書記述の研究実施計画に従って以下のシンポジユウムが予定どおり実施された: (1)無限次元解析とその周辺(2)フラクタルとその周辺(3)エルゴ-ド理論とその周辺(4)確率解析の基礎理論(5)安定確率場の理論(6)確率過程とその周辺. この他に数理物理とフラクタルに関する二つの小研究集会が持たれた. (1),(2),(4)には予想を越える参加者があり,それぞれ確率解析に関する従来の国内外に於ける研究成果の総合的reviewと近未来の発展方向の検討が成功裏に行われた。その結果,(1),(4)ではウイ-ナ--リ-マン多様体上でのマリアバン解析,ウイ-ナ-空間上の複素解析,無限次元空間上の容量と測度,場の量子論との関係,白色雑音解析との関係等に関し,(2)では自己相似図形上の拡散過程とディリクレ形式に基ずく確率解析,フラクタル上のスペクトル解析,複素力学系の定めるジュリア集合の解析等に関して極めて重要な新しい知見が得られ,分担者を中心とする以後の研究にも着実に反映されつつある. (4)では更に変動量に基ずく確率過程の解析,(3)ではエルゴ-ド的流れへの新たな接近,又(5)では積分幾何学的に構成される安定型確率場に関して,それぞれ興味深い知見が得られた。(6)には総合的大シンポジュウムとして確率解析に関する最近の研究が多様に反映されたが,特に統計学に関連する汎関数的極限定理,物理学に関連する熱力学的極限定理,フラクタル上の確率解析等々に注目すべき知見が認められ,来年度に継続される本総合研究の方向を示すものとなった。
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