研究課題/領域番号 |
03302016
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梶川 良一 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022537)
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研究分担者 |
山田 作衛 東京大学, 原子核研究所, 教授 (70011658)
長島 順清 大阪大学, 理学部, 教授 (90044768)
木村 嘉孝 高エネルギー研究所, 教授 (00010794)
折戸 周治 東京大学, 理学部, 教授 (10092173)
岩田 正義 高エネルギー研究所, 教授 (80022698)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | JLC(Japan Linear Collider) / 電子・陽電子直線衝突型加速器 / 電子・陽電子消滅 / 素粒子の標準模型 / TeV領域の物理 / 超対称性 / SUSY粒子 / ヒッグス粒子 |
研究概要 |
この研究は、わが国の高エネルギー物理学分野の将来計画として合意されたJLC加速器による実験を想定している。TeV領域にいたる研究のシナリオをリニヤーコライダーの特長を活かして克明に描き、また実験に必要な加速器の性能を明らかにしてその開発にフイ-ドバックすることを目的としている。具体的には、 (1)未発見のトップクォークとヒッグス粒子の探索と研究、W/Zボゾンの超精密測定を基本に標準模型の限界を検証する戦略をたてた。必要な実験シミュレーション法を開発し、すぐ実行できるようにした。(2)軽いヒッグス粒子の存否はTeV領域の物理のシナリオを左右する分岐点になるが、JLC-1実験でこの問題に決着をつけることができることを示した。軽いヒッグスが存在しない場合、より高いエネルギーでゲージボゾンを調べる必要があり、エネルギーを増強するシナリオを平行して検討した。(3)軽いヒッグスが存在するときは、標準模型を超える新しい物理として超対称性が有力な候補になる。超対称性の枠組みのなかで、ヒッグス粒子と超対称性粒子の探索はじめ、必要な実験のシナリオを用意した。(4)測定装置の概念設計を行った。特にバ-テックス検出器、中央飛跡検出器、電磁・ハドロン一体型カロリメーターなどは、従来にない高い分解能を必要としており、これら測定器を設計し、検出性能をシミュレーション実験で確かめた。(5)加速器関係では、加速器と実験のインターフェース、とくに最終収束光学系の設計やサブミクロンのビーム制御、衝突点まわりのモニター系などの開発を進めた。特に、高い偏極度をもつ電子ビーム源の開発と、ナノメーター精度が要求される電磁石の保持で優れた成果を得た。(6)リニヤーコライダー特有のビーム・ビーム相互作用に起因するバックグランドをはじめて評価し、その処理法を研究してマスク系の設計を行った。
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