研究課題/領域番号 |
03302022
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
|
研究分担者 |
吉田 武義 東北大学, 理学部, 助教授 (80004505)
加々美 寛雄 岡山大学, 地球内部研究センター, 助教授 (20108179)
永尾 隆志 山口大学, 理学部, 助教授 (40136164)
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (00126426)
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 助教授 (60200169)
|
キーワード | 火山岩の時空変遷 / テクトニクス / マントル / 東北日本 / 西南日本 / 日本海拡大 / Sr同位体比 / Nd同位体比 |
研究概要 |
平成5年3月に本総研の研究報告No.2を印刷した。この報告書の中には、研究代表者・分担者および研究協力者などから25の研究報告が含まれている。これらは平成4年度の研究結果をまとめたものである。 平成5年度は、北部九州、中国地域、能登半島、信越地域、北関東、東北日本各地、奥尻海嶺などの火山岩に加えて、北海道東北部の第三紀火山岩の研究が開始された。これらの研究結果は、平成5年12月23-24日に新潟大学で開催された第2回研究集会で報告された。この集会では22の報告が行なわれ、その中には研究協力者(院生)の報告8が含まれる。 これまでの研究実績の上に平成5年度の研究結果が蓄積されたことにより、上記各地の火山体の形成過程の究明が著しく進んだ。また、平成4年度に引き続き、東北日本各地の第三紀火山岩のK-Ar年代測定が行なわれた。これらの研究結果は、日本列島の新生代火山岩の時空変遷を議論する上でも重要なデータを提供することとなった。火山岩の時空変遷と日本海拡大に関連したテクトニクスとの議論にも一段と進展がみられた。このような議論の中で浮上してきた問題点は、日本海の拡大時期の点である。この点については、ODPと古地磁気学の研究結果では異なっているので、現状では、日本列島の火山岩のより精密な時空変遷を組み立てることが重要であろう。東北日本各地の第三紀以降の玄武岩類のSr・Nd同位体比のデータに基づき、東北日本の上部マントルは同位体的に2層構造からなることが提唱され、それぞれの層に由来する玄武岩質マグマの活動と日本海拡大との関係が議論された。また、西南日本の北部九州と中国地域の玄武岩質マグマは、それぞれ同位体的に異なるマントルダイアピルに由来することが議論されるなど、本年度の研究によって、火山活動-テクトニクス-マントル組成に関する議論が著しく進展したといえよう。
|