研究課題/領域番号 |
03302041
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025856)
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研究分担者 |
中島 章典 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70164176)
中井 博 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00047052)
三上 市藏 関西大学, 工学部, 教授 (80067636)
宇佐美 勉 名古屋大学, 工学部, 教授 (50021796)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
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キーワード | 鋼構造物 / 動的荷重 / 極限耐力 / 耐震設計法 / 材料構成則 / 動的載荷実験 / 変形性能照査 / 保有耐力照査 |
研究概要 |
本研究では、鋼構造部材の繰り返し荷重にたいする実験や、ハイブリッド実験などを通して、弾塑性覆歴復元力特性を明らかにし、より高い耐力と変形性能を有する部材の断面構成を提案するとともに、弾塑性地震応答解析やエネルギ-吸収量の定量化などに基づく終局耐震設計法の開発を目的としている。本研究の初年度である平成3年度においては、各々の研究者の現在までの研究成果を交換するなどして詳細に検討を加え、最終の目標である終局耐震設計法の確立に向けての問題点を整理した。得られた成果は、以下の通りである。1.材料構成則の種類とそれぞれの特色について整理検討した。2.静的荷重下での大変形時極限強度の数値解析的評価法を開発し2〜3の構造部材に適用した。3.高構造部材のダクティリティの向上策として、低降伏材の利用、幅厚比の低下、補剛材の増強、断面形状の選択などの項目を取り上げ、それぞれの効果について検討した。4.新しく開発した材端3自由度載荷実験システムを用いて、軸力、モ-メントおよびせん弾力の3断面力を、独立かつ任意にコンピュ-タ・オンライン制御しての繰り返し載荷実験を行った。5.以上の実験的研究で対象とした鋼製箱型橋脚モデルの供試体の最大強度および塑性域での耐荷力の低下の割合には、補剛材の剛比が影響しており、これを大きくすることにより、最大強度およびじん性を増加させることができ、より耐震性のある部材となる。6.単調曲げ載荷実験の結果から、低降伏鋼を用いた箱型断面部材では、フランジ座屈後の耐荷力の低下が比較的緩やかであることが明らかになった。低降伏鋼を用いた箱型断面部材では、高降伏鋼を用いたものと比較して、エネルギ-吸収能力が平均して40%程度大きいことが確認された。一方、強度については両者の間に大きな差が見られないことを考慮すると、低降伏鋼は塑性状態における変形性能に優れた材料であると考えられる。
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